クルマのナンバープレートに、レインボーカラーの集中線が描かれているものがあります。車種によっては、実は“レア”ものといえそうです。

虹色ナンバープレートは何なのか

道行くクルマのナンバープレートで、レインボーカラーの集中線が描かれたタイプを見かけることがあります。これは何のためなのでしょうか。

このナンバープレート、いま手に入れようとしてもできないものです。それもそのはず、「東京2020オリンピックパラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」だから。大会開催の機運を盛り上げる観点から、デザインの入った特別仕様として、2021年9月まで交付されたのです。そして、集中線が描かれたタイプを取得するには申し込み時に1000円以上の寄付が必要でした。

国土交通省によると、この東京オリパラの特別仕様ナンバープレートの申し込み件数は、2021年7月末時点で計2894374件。このうち253万2395万件が「軽自動車の寄付なし」に集中していました。これは白色のプレートの右上に大会エンブレムだけがあしらわれたデザインで、軽自動車でも白いナンバープレートを得られることから人気が集中したのです。

対して集中線が描かれたタイプの申し込みは、計28万770件でした。特に東京近郊では、オリパラを応援することを示す意味でバスやトラックといった事業用車両に複数台導入されたケースもあり、申し込み件数は全国の事業用登録車の1%ほど(1万9343件)になっています。これに対し、自家用登録車の申し込み件数は11万6580件で、全国の自家用登録車の0.2%ほどです。

ちなみに特別仕様ナンバープレートといえば、東京オリパラに先行して2017(平成29)年4月から2019年11月まで、同年に日本で開催された「ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート」も交付されました。こちらも寄付ありのナンバープレートラグビーボールの絵柄が描かれましたが、寄付なしの場合は白地に大会エンブレムが小さくあしらわれるのみで、いわゆる「軽の白ナンバー」すなわち「自家用軽自動車の寄付なし」に申し込みが集中しました。

全ての車種の申し込み総数は26万7393件(2019年3月末時点)、うち寄付ありの件数が6万7862件なので、“集中線タイプ”よりレアだといえるでしょう。

虹色ナンバープレートの例(中島洋平撮影)。