バルセロナは16日、クラブOBで元ポルトガル代表MFのデコ氏がスポーツディレクター(SD)に就任したことを発表した。契約期間は2026年6月30日までの3年間となっている。

 クラブの発表によると、現在SDを務めているマテウ・アレマニー氏は、今夏の移籍市場が閉じる9月2日をもって同職を退任するとのこと。デコ氏は同日までアレマニー氏と共に業務に携わり、その後もフットボール部門のトップとして補強や育成等のチーム強化全般に携わっていくこととなる。なお、バルセロナは数週間以内にフットボール部門の今後の構造について詳しく説明する予定だという。

 現在45歳のデコ氏はブラジルのサンパウロで生まれ育ち、1997年にコリンチャンスからベンフィカへと加入した。1999年ポルトに移籍すると徐々に頭角を表し、攻撃の中心的存在に成長。同クラブでは公式戦通算205試合の出場で45ゴール95アシストをマークし、2003-04シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)制覇にも大きく貢献した。

 2004年7月にはバルセロナに完全移籍で加入すると、元ブラジル代表FWロナウジーニョ氏らと共に強力攻撃陣を牽引。初年度から公式戦42試合の出場で8ゴール12アシストを記録する活躍を見せ、そのシーズンのラ・リーガ制覇に大きく貢献した。2008年夏までの約4年間を過ごしたバルセロナでは、公式戦通算161試合に出場し20ゴール45アシストをマーク。合計6つのタイトルをチームにもたらした。

 その後はチェルシー、フルミネンセでのプレーを経て、2013年夏に引退を表明。現役を退いてからは「D20 Sport」という会社を設立し、プロサッカー選手の代理人業を行っていた。

 約15年ぶりに“古巣”へ帰還したデコ氏は「このクラブに戻ることは僕にとって素晴らしいことだ。僕はこのクラブで選手になるという子供の頃からの夢を叶え、今度は違った役割、その裏側にある仕事に就くことになる。バルサには若くて素晴らしい選手が揃っているし、僕らには未来があると思っているよ」と喜びを語っている。

 なお、移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、バルセロナを退団することとなったアレマニー氏について、トッテナムが招へいを検討しているという。

現役時代のデコ氏(2007年)[写真]=Getty Images