国家公務員の給与、ボーナスの引上げが報告されました。本記事では、『令和5年 人事院勧告』『令和5年 国家公務員給与等実態調査』などを参考に、国家公務員や国会議員のお給料事情について見ていきます。

国家公務員「期末・勤勉手当」引下げも月給は据え置き

今月7日、人事院は公務員の給与について初任給の引上げ(高卒:約8%[12,000円]]、大卒:約6%[11,000円])、ボーナスの「年間4.4ヵ月分」→「年間4.5ヵ月分」への引上げを報告しました。

大卒・高卒の初任給をともに10,000円以上引き上げるのは、平成2年以来33年ぶりです。初任給のほか、若年層に重点を置いて俸給表が引き上げられています。

そこで気になるのが国家公務員の月給です。一体いくらなのでしょうか? 

人事院は一般職国家公務員の給与を検討するため、全産業の企業規模50人以上かつ、事業所規模50人以上の全国の民間事業所約58,800(母集団事業所)のうちから、層化無作為抽出法によって抽出した約11,900の事業所のデータを取り、給与額を決定しています。

令和5年 国家公務員給与等実態調査』より平均給与月額、平均年齢を見ていくと、本府省(いわゆる中央省庁)勤めの人の平均年齢は40.4歳、平均給与は「44万7,666円」。人数は3万9,000人ほど。

そのほか、地方整備局などの管区機関に勤めている人の給与は「40万4,749円(平均年齢 44.2歳)」、地方法務局都道府県労働局などの府県単位機関に勤めている人の給与は「38万8,199円(平均年齢 44.1歳)」と続きます。

なかなかの高給取りで羨ましい…との声もあがりますが、いわゆる「お役所仕事」の人は、多忙さが話題になることも少なくありません。令和4年中の全期間において、本府省勤めの人の平均年間超過勤務時間は「397時間」と報告されています。給与に見合った労働といえるのか、その実態には一考の余地があるでしょう。

ここで一点、ネット上で話題になったのは「国会議員はいくらもらっているのか?」という疑問です。

「議員は百二十九万四千円を、歳費月額として受ける」

『国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律』では下記のように記述されています。

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第一条 各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。 第二条 議長及び副議長は、その選挙された日から歳費を受ける。議長又は副議長に選挙された議員は、その選挙された日の前日までの歳費を受ける。

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歳費とは、いわゆるお給料のことを指します。議長217万円、副議長158万4,000円、議員129万4,000円。令和3年現在、衆議院には465名、参議院には245名の議員数が定められています。計710名。1ヵ月あたりの国会議員の給料総額は約10億円になる算段です。

そのほか、国会議員にも、期末手当と呼ばれるボーナスが支給されます。年2回、「歳費月額及びその歳費月額に百分の四十五を超えない範囲内で両議院の議長が協議して定める割合を乗じて得た額の合計額」などの細かい取り決めはありますが、今年の夏には「約310万円」のボーナスが各議員の手にわたりました。

なお、首相は「約392万円(返納後の額)」、国務大臣は「約327万円(返納後の額)」の期末手当が支給されたと報告されています。「自分の年収よりも高い…」といった声がちらほらと聞かれます。

民間の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は「年収443万円」です。月の手取りでは29万円ほど。公務員を含んだ「日本人全体の平均給与」を調べれば、この平均値は底上げされるといえそうです。

(※写真はイメージです/PIXTA)