元イングランド代表FWセオ・ウォルコットが自身の公式SNSを通して現役引退を表明した。

 ウォルコットは18日に自身の公式Instagram(@theowalcott)を更新。自身のこれまでのキャリアを振り返る動画とともに、次のような言葉で現役生活に別れを告げた。

「10歳の頃に初めてサッカースパイクを履いた瞬間から、僕にとって特別な旅が始まった。友達と公園で遊ぶことから始まり、気が付けば世界中の大観衆の前で、いくつかの大きなスタジアムでパフォーマンスをするようになった」

「僕がプレーしてきたこれまでの期間、捧げてもらったサポートには感謝してもしきれない。想像を遥かに超えるような、信じられないほど素晴らしいサポートだった。多くの素晴らしい選手たちとフットボールピッチを共にし、忘れられない思い出をたくさん作ることができた」

 ウォルコットは1989年3月16日生まれの現在34歳。サウサンプトンアカデミー育ちで、2005年8月にクラブ史上最年少の16歳143日でトップデビューを飾った。サウサンプトンでの初出場からわずか5カ月後、当時のアーセン・ヴェンゲル監督からその才能を高く買われ、アーセナルへ完全移籍加入。2006-07シーズンから徐々に出場機会を増やしていき、2008-09シーズンに入るとクラブのレジェンドである元フランス代表FWティエリ・アンリ氏が背負った14番を引き継いだ。

 その後はアーセナルの攻撃陣に欠かせない“スピードスター”として活躍。右サイドの2列目だけでなく、自身が“本職”と称したセンターフォワードでもプレーした。2012-13シーズンには公式戦43試合のピッチに立ち、どちらもキャリアハイとなる21ゴール16アシストをマーク。負傷に悩まされた時期もあったものの、最終的にアーセナルでは約12年間にわたってプレーし、公式戦通算397試合出場108ゴール80アシストを記録した。在籍期間内には3度のFAカップ優勝も経験している。

 アーセナルを退団した2018年1月、エヴァートンへの完全移籍を決断。エヴァートンにはおよそ2年半在籍し、公式戦通算85試合の出場で11ゴール9アシストを記録した。2020年10月には1年間のレンタル移籍でサウサンプトン加入が決定。約15年ぶりとなる古巣復帰を果たし、シーズン終了後に完全移籍へ切り替わった。2022-23シーズンは公式戦25試合のピッチに立ち、5ゴール3アシストをマーク。プレミアリーグに限定しても20試合出場2ゴール2アシストを記録したが、サウサンプトンプレミアリーグを最下位で終え、12年ぶりの降格が決まっていた。ウォルコットとサウサンプトンの契約は今年6月30日までとなっていたが、クラブから新契約が提示されることはなく、契約満了が決定。2022-23シーズン限りでサウサンプトンを退団していた。

 また、アーセナルに引き抜かれてから4ヶ月後にイングランド代表デビューを飾ると、弱冠17歳にしてFIFAワールドカップドイツ2006のメンバー入りも経験した。しかし、その後ワールドカップとは縁がなく、EUROも1大会のみの参加に。“切り札”起用が続いたEURO2012では全4試合に途中出場して1ゴール1アシストをマーク。イングランド代表通算では47試合に出場して8ゴール8アシストを記録した。

【動画】これまでのウォルコットの歩み

ウォルコットはアーセナルで約12年間プレー [写真]=Getty Images