ワイルド・スピード」や「ミッション:インポッシブル」などシリーズ作品の人気が衰えないなか、いま最も新作が待ち望まれているシリーズの一つが「パイレーツ・オブ・カリビアン」なのは間違いない。ジョニー・デップが演じたジャック・スパロウのキャラクターが全世界で愛され、シリーズ5作が大ヒットを飛ばしたが、6作目は作られるのか?その状況を改めて確認しておきたい。

【写真を見る】新キャストでジャック・スパロウの若かりし頃を描くリブート版の情報も…?

ジョニー・デップジャック・スパロウ再演に黄色信号が…

2017年公開のシリーズ第5作『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』は、日本でも興行収入67.1億円という大ヒットを記録。同作のラストで、シリーズ2~3作目に登場したデイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)らしき人物の影が現れたことから、そこから続く物語が作られるかと思いきや、しばらく6作目の具体的な動きはなく、「シリーズ完結か」と「次も作られるだろう」という両方の説が平行線をたどった。

同じ時期、デップには次なる当たり役が用意されていた。「ファンタスティック・ビースト」シリーズで主人公の宿敵となるグリンデルバルド役だ。2016年の第1作『ファンタスティック・ビースト魔法使いの旅』のラストに同役でカメオ出演し、2018年の第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で本格的に活躍。3作目でもグリンデルバルドが登場することになっていたが、元妻アンバー・ハードからDVの訴訟を起こされたことで、同役の降板へと至った。

この一連の流れから、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新作が作られても、デップがジャック・スパロウ役で復帰することは難しくなった。ただデップ自身は、ハードとの裁判の証言台でジャック・スパロウ役への並々ならぬ思いを語り、「ちゃんとした形でお別れしたい」と告白。つまり、6作目への意欲は強かった。これに対し、シリーズのプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーは「スパロウの再登場の予定はないが、先のことはわからない」と曖昧に語っている。

■マーゴット・ロビー主演のスピンオフを企画!?

そのブラッカイマーは、2022年の時点で「パイレーツ・オブ・カリビアン」のための2つのストーリーを進めていると説明。その一つが女性キャラクターを中心にした作品、つまりスピンオフ的な新作で、現在『バービー』(公開中)が世界的大ヒットを続けるマーゴット・ロビーへ出演の交渉をしているとのこと。ロビーも『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(20)で組んだ脚本家のクリスティーナ・ホドソンと「パイレーツ~」新作の構想を話し合ったとされる。ただ、ロビーは自身の製作会社で、やはりディズニーパークのアトラクションである、ビッグサンダー・マウンテンの映画化プロジェクトにも関わっており、シリーズへの参加は現状不透明だ。

ジャックの若かりし頃を描くリブート版の情報も

もう一つは、若手キャストがメインのストーリーになっている模様。ジャック・スパロウの若き日が描かれる、いわゆるリブート的な作品となる噂もあるが、詳細は不明だ。こちらはシリーズの1~4作で脚本を手掛けたテッドエリオットと、「ハングオーバー!!」シリーズやドラマ「チェルノブイリ」のクレイグ・メイジンが関わっていることが報じられた。

■ファンはジョニー・デップ演じるジャック・スパロウを待っている!

ブラッカイマーは、2作のどちらかではなく、両方を完成させたい意向のよう。しかし残念ながら、どちらにもジャック・スパロウが登場するという情報は流れてこない。デップのジャック・スパロウ役への復帰を望む声は根強く、ファンがディズニーへの嘆願書を作成。50万人もの署名を集めるというニュースもあった。

裁判にも勝訴し、俳優活動も本格的に動き始めたジョニー・デップなので、カメオ出演でも「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズに戻ってきてほしい…。その可能性も含めて、新作の続報が待たれるところだ。

文/斉藤博昭

シリーズ第5作『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』以降、作られていない新作の情報を再確認/[c]Everett Collection/AFLO