プレミアリーグ第2節、トッテナムvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間19日25:30にトッテナム・ホットスパースタジアムでキックオフされる。新体制初勝利目指すスパーズと、苦手アウェイ克服で開幕連勝を目指すユナイテッドによる強豪対決だ。

昨シーズンの8位からの巻き返しを図るトッテナムは、ポステコグルー監督を新指揮官に据えて今シーズンをスタート。試合前日に絶対的エースであるFWケインバイエルン行きが発表される難しい精神状態で臨んだ開幕戦は、難敵ブレントフォード相手に2-2のドローに終わった。

指揮官が求める強気なハイライン設定、ビルドアップやネガティブトランジション、アタッカー陣の絡み方など、新スタイル移行ゆえの機能不全が見受けられた。その一方で、ほぼぶっつけ本番で起用したDFファン・デ・フェンや2アシストを記録したMFマディソン、DFウドジェら新戦力の活躍。高いボール支配率で相手を自陣深くに押し込み続け、前体制で課題とされたシュート本数でも大幅な改善を示すなどポジティブな要素も多く見受けられた。このタイミングで強烈なカウンターアタックを有する赤い悪魔との対戦はプレースタイル的に考えて苦戦必至と思われるが、ホーム開幕戦でしっかりとしたパフォーマンスと勝ち点3という結果を得たいところだ。

一方、テン・ハグ体制1年目でEFLカップのタイトルと共に最低限のノルマだった3位フィニッシュを達成したユナイテッド。クラブ売却交渉の停滞によって今夏の移籍市場では後手の対応が続くも、ウォルバーハンプトンとの開幕戦では新守護神オナナの活躍や有利に働いた誤審の影響もあって1-0の白星発進。昨季の連敗スタートを考えれば、テン・ハグ体制2年目は上々の滑り出しだ。

今季初のビッグマッチに向けてはセットプレー流れでDFヴァランのゴールのみに終わった開幕戦での低調な攻撃の修正に加え、昨季の大きな課題となったアウェイゲームでのパフォーマンスの改善が必須。昨季リーグ戦におけるアウェイでの戦績は8勝3分け8敗で、対ビッグ6とのアウェイゲームでは3敗2分けの未勝利。したがって、新体制移行で付け入る隙が十二分にあるホームチームをしっかりと叩き、昨季からの成長を見せつけたい。

トッテナム
【4-2-3-1】
▽予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:ヴィカーリオ
DF:エメルソン、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ
MF:スキップ、ビスマ
MF:クルゼフスキ、マディソン、ソン・フンミン
FW:リシャルリソン

負傷者:GKフォースター、ホワイトマン、MFベンタンクール、エンドンベレ、セセニョン、FWブライアン・ヒル
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のベンタンクールに加え、開幕前から離脱が続く控えクラスの選手が引き続き不在に。その一方で、開幕戦で先制ゴールを決めながら脳震とうの疑いで早期交代となったロメロは、リーグが定めるプロトコルメディカルスタッフによる慎重なチェックを経てこの試合での起用にゴーサインが出ている。

システムはポステコグルーのチームでお馴染みの[4-2-3-1(4-3-3)]を採用。スタメンに関しても、手応えを得たブレントフォード戦と全く同じメンバーを継続する見込みだ。バックラインではベン・デイビス、中盤ではパプ・サール、前線でペリシッチらにチャンスが与えられる可能性もある。

マンチェスター・ユナイテッド
【4-3-3】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:オナナ
DF:ワン=ビサカ、ヴァラン、リサンドロ・マルティネス、ショー
MF:ブルーノ・フェルナンデス、カゼミロ、マウント
FW:アントニー、ラッシュフォードガルナチョ

負傷者:GKヒートン、DFマラシア、MFメイヌー、アマド・ディアロ、FWホイルンド
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては急ピッチでコンディションを上げるホイルンドの復帰が時期尚早となり、前述の控えメンバーと共に遠征メンバー外となる見込みだ。一方、ウルブス戦で軽度の打撲を負っていたリサンドロ・マルティネスは問題なくプレーできるという。

システムは昨季のメインシステムである[4-3-3(4-2-3-1)]を継続。スタメンに関しても開幕戦と全く同じメンバーの起用が見込まれる。変更点があるとすれば、マウントに代わって古巣対戦のエリクセンアントニーガルナチョに代えてサンチョかマルシャルを起用するぐらいか。

★注目選手
トッテナム:MFイヴ・ビスマ
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加入2年目で真価発揮へ。新天地デビュー戦で早速2アシストを記録したマディソンや新キャプテンのソン・フンミンに大きな注目が集まるところだが、プレシーズンと開幕戦から新体制で最も存在感を放つマリ代表MFを注目選手とした。

ブライトンでの印象的な活躍を経て、昨夏トッテナムにステップアップを遂げた26歳だが、新戦力の起用に慎重なコンテ前監督の起用法やプレースタイルの相性の悪さもあって厳しい前半戦に。さらに、徐々に出場機会を増やしたタイミングで足首骨折の重傷を負い、加入1年目は公式戦28試合出場で先発はわずか12試合にとどまった。

それでも、今夏のプレシーズンではポステコグルー新体制始動からチームに絡み、カウンター一辺倒の前体制からポッター・ブライトンとの共通性も少なくないオーストラリア指揮官が志向するスタイルにフィット。中盤の底でボールを引き出し、ショートパスや運ぶドリブルでビルドアップの起点を担い、守備でも持ち味のボール奪取能力を遺憾なく発揮。ロメロやマディソンと共に重要なセンターラインの主軸として存在感を示す。

近年のスパーズ史上最高のMFと評価されるムサ・デンベレの正統後継者として日増しに期待感を集める新8番は、攻守両面で多くのタスクが求められるタフなユナイテッドとの一戦で、その“期待”を“信頼”へと変えていくことができるか。

マンチェスター・ユナイテッド:FWマーカス・ラッシュフォード
Getty Images

ハイライン攻略で今季初ゴールを狙う。こちらもオナナやマウントら新戦力に注目が集まるが、エースストライカーのパフォーマンスに注目したい。昨シーズンはやや好不調の波こそあったものの、公式戦56試合の出場でキャリアハイの30ゴールを記録したイングランド代表FW。さらに、去就が不透明な状況となっていたが、先日に2028年までの新契約にサインし、名実ともにユナイテッドのエースとなった。

今シーズンに向けてはプレシーズンを通じてやや重さも見受けられ、FWホイルンドやFWマルシャルの負傷の影響で、センターフォワードでのプレーとなった開幕戦のウルブス戦でも思うようなインパクトを残せず。

本領発揮には自身が希望する左ウイング移行後となる可能性が高いが、前述の2選手のコンディションもあってこの試合では引き続きセンターフォワードでの起用が見込まれる。ただ、今季のトッテナムはハイラインを基本とする、ラッシュフォードにとって非常に相性が良い相手となっており、得意のラインブレイクや相手DFとの走り合い、一対一での仕掛けを繰り出しやすい。

ブルーノ・フェルナンデスマウント、カゼミロという質の高い中盤のパサーに加え、新守護神はフィードの名手として知られており、積極的に相手守備陣と駆け引きし、ゴールを陥れたい。