2023年のZeppツアーがソールドアウトするなど、勢いのあるダンス&ボーカルグループ・WATWING。8月22日(火)に、グループ史上最大規模となるパシフィコ横浜でのワンマンライブ「WATWING First Full Album One Man LIVE "Where to Forward"」を控え、8月30日(水)にはメジャー1stアルバム『Where』をリリースする。メンバーの鈴木曉に独占インタビューを実施し、ライブやニューアルバムについて話を訊いた。ダンス未経験でグループに加入した鈴木曉がダンスへの思いを語る場面では、グループの絆も浮かび上がった。

【写真】視線も妖艶な壁ドン風カット

■ニューアルバムは「本当にすごく豪華な1枚」

──8月30日メジャー1stアルバム『Where』がリリースされます。このアルバムはどのような作品になっているのでしょうか?

僕たちはデビュー5年目。今この時点で自分たちがどこにいるか、そしてこの先どこへ向かっていくのかというのを、この作品を聴いた皆さんに感じてもらいたいと思って、「Where」というタイトルを付けました。自分たちからその場所を提示するのではなく、聴いた人に感じてもらえるアルバムになっていると思います。

──改めて収録曲を並べてみて感じたことはありますか?

僕たちは去年からコラボシングル(大橋ちっぽけプロデュース「Honey, You!」、chelmicoプロデュース「WAIT A MINUTE!」、SALU×SUNNY BOY「WINGS」、Kvi Babaプロデュース「The Practice of Love」)をリリースさせてもらっていたのですが、やはりすごく勉強になりました。毎回レコーディングにはプロデュースしてくださった方が来て、ディレクションしてくれて。もちろん難しいことも指示してくださるし、うまくできなくて悔しいこともありましたけど、とても身になりました。あと、今回のアルバムには1曲目にイントロ楽曲を入れているんです。アルバムにはイントロを付けたいと思っていたので、イントロ楽曲を作ると決まったときはみんな沸きましたね。ちなみにイントロはSeihoさんに作っていただいています。本当にすごく豪華な1枚になっています。

■「みんなの前でパフォーマンスできるのが楽しみ」

──今作の中で、グループとしてのチャレンジや特に苦労したことを挙げるなら?

苦労したことでいうと2つあって。まずはリード曲の「Let's get on the beat」。tofubeatsさんが作ってくださった、近未来感のあるダンスサウンドの楽曲です。この曲はShow-heyさんという方が振り付けてくださったのですが、あの…すごく踊るんですよ(笑)。踊りまくる。僕たちの良さでもあるパフォーマンスを見せられてすごく良いんですが、踊り終わったあとは全員がへとへとになっています。それくらいダンスの魅力が詰まった曲になっています。体感としては、今までの曲で一番、踊り終わったあとにキますね(笑)。

──では、もう1つは?

「feel like… this」です。この曲はメンバーの八村倫太郎と桑山隆太がドラマ撮影で忙しかった時期に、僕と福澤希空と高橋颯と古幡亮の4人で何かできないか?と考えて作ってもらった4人曲。この曲を、今回アルバムに入れるにあたって6人バージョンにしました。6人曲としてレコーディングし直すタイミングで、プロデューサーのAshさんがLAから来てくださって。グルーヴ感や英語の発音などを改めてディレクションしてもらいました。それは今までのレコーディングで一番難しかったですね。でもおかげでさらにパワーアップした曲になったので楽しみにしていてもらいたいです。

──今お伺いした2曲だけでも、歌もダンスも高い難易度の楽曲に挑戦した作品になっているのを感じます。

そうなんですよ。その分、みんなの前でパフォーマンスできるのが楽しみです。

■ダンス未経験からの挑戦「みんながいなかったら、僕はここにいなかった」

──ちなみに、今作において、曉さん個人として挑戦だったことや苦労したことはありますか?

やっぱりダンスですね。ダンスが本当に難しいです。

──曉さんはグループ結成時、唯一のダンス未経験者だったんですよね。未経験から始めて、今、ダンスは楽しいですか?

うまく踊れると楽しいですけど、うまく踊れないときは悔しいですし、目を背けたくなります。でもやっぱりうまくできたときや、メンバーみんなで揃ったときはめちゃくちゃ楽しいですし、ライブ中に「こんなすげえヤツらと踊っているんだ」と思うとすごくうれしくて。

──メンバーのダンスを見て?

はい。練習しているときも、やっぱりみんなすごいんですよ。だから一緒に踊れて幸せです。

──その考え方、すごく素敵ですね。

本当にそう思います。だって僕が踊れないときはみんなが優しく教えてくれるんですよ。だから僕も頑張ろうと思えます。

──それこそ、一人だけダンス未経験という状況からここまで、よく心折れずにいられましたよね。

いや、何回も折れました。何回も折れてそのたびにメンバーが助けてくれました。だからみんながいなかったら、僕はここにいなかったと思います。

■「メンバーのおかげ」で広がった可能性も

──一方で、曉さんはグループの“音源リーダー”です。“音楽を聴く耳”のようなものは、グループに入る前から備わっていたのでしょうか?

完全にWATWINGになってからですね。僕はそれまで、気に入った曲をずっと聴くタイプだったんです。だけどWATWINGってみんな聴く曲が違って。練習の準備中にみんなで音楽を流すんですけど、みんなのかける音楽のセンスが良くてですね。そこで耳が鍛えられたんだと思います。そこからいろんな音楽を聴くようになりましたし、曲を作りたいなと思うようになってきました。

──WATWING加入前から音楽が好きで歌手を目指していたそうですが、その頃は自分で曲を作りたいとは思っていなかったのでしょうか?

全然思っていなかったですね。僕には作れないと思っていました。そもそもどうやって作るのかもわからなかったし。今は自分でも曲を作っているんですが、曲を作るようになったきっかけはコロナ禍。外出が規制されていた時期に、曲を作ってみようと思って調べてみたら、「コードを4つループさせて、それにあわせて歌ってみる」というのが出てきて。とりあえずそれをやってみたんです。うるさくなるといけないと思ってトイレにこもってひたすら(笑)。そしたら意外と作れて、楽しくなってどんどん作るようになりました。

──ダンスに作曲に…と、WATWINGに入ってからどんどんできることが増えていますね。

確かに。今、言われて気付きました。確かにWATWINGに入ってからできることがめっちゃ増えました! メンバーのおかげですね。

■目標は東京ドーム「景色を焼き付けながらライブを楽しみたい」

──WATWINGとしてはメジャー1stアルバムをリリースして、その先はどのように考えていますか?

結成したときからずっと、東京ドームでライブをするという目標を掲げています。今は、そこに向かって階段を上っているところ。

──その通過点の1つとして8月22日にはパシフィコ横浜でのワンマンライブ「WATWING First Full Album One Man LIVE "Where to Forward"」があります。現時点で楽しみにしていることを教えてください。

ちょっとまだ全貌は決まっていないのですが(取材は7月上旬に実施)いろいろ進化した演出になる予定なので、まず演出が楽しみですね。あとはアルバムの曲を全曲披露する予定なので、それがめちゃくちゃ楽しみです。

──曉さんとしては、こんなパフォーマンスをしたい、見せたいといったものはありますか?

いつも通り楽しみたいというのはもちろんなんですけど、お客さん全員の顔を見たいですね。ライブ終わって記憶がないというのだけは絶対に嫌で。景色を焼き付けながらライブを楽しみたいです。

■「まだまだ上に行きたい」

──アルバムのタイトル「Where」は、自分たちがどこにいるかを、聞いた人に感じてもらいたいということでしたが、あえて曉さんが自分で言うなら、ご自身では今どのあたりにいると思いますか?

えー、どこだろう。(目の前の500mlのペットボトルを見ながら)このペットボトルで言うとまだ150mlですかね。お客さんが10人とかの時期もあったし、最初に比べたらWATWINGという名前をたくさんの人に知ってもらえてライブにもたくさんの人が来てくれるようになったけど、まだまだ上に行きたいから。

──グループとしては、曉さんも含め皆さんそれぞれ個人のお仕事も多いです。他のメンバーの活躍はどのように見ていますか?

「頑張ったね!」と素直に思えることもあるし、「うわ、いいな、俺もやりたいな」と思うこともあります。すごくいい刺激になっています。あと、隆太は「沼にハマってきいてみた」(毎週土曜夜8:45-9:30、NHK Eテレ)のリポーターをやるようになってから、最近よくしゃべるようになってきたんですよ。そういう成長や変化も感じますね。

──曉さんは個人仕事でこの先やってみたいことはありますか?

少し前に、カミナリさんとグルメロケをしたのですが、カミナリさんがすごく引き出してくれてとても楽しかったんです。だからまた芸人さんと何かご一緒できたらいいなと思います。あとは写真を撮られたり、いろんな服を着たりするのも好きなので、雑誌のお仕事ももっとやりたいです。

■今、一番行きたいところ

──では最後に「Where」にかけて、曉さんが今、一番行きたいところを教えてください。

いいですね〜! パッと思いついたのは、僕の地元・宮城県岩沼市にある、くるまやラーメン。よくそこで母とラーメンを食べていたので、ひさしぶりに食べたいな〜。

──ご実家にはあまり帰っていないんですか?

全然帰っていないんですよ。自分の中で、「ビッグになったら帰ろう」という気持ちがあって、上京してからはまだ3回くらいしか帰っていないです。だからビッグになって、母とくるまやラーメンを食べたいです。

※高橋颯の“高”は、ただしくははしご「高」

鈴木曉/撮影=横山マサト