婚姻届を出す際に必要になるのが「証人」2人以上の署名押印だ。親やきょうだいなどの親族だけではなく、友人や同僚などに頼む人もいる。

証人とは、そもそも何なのか。どのような人がなれるのか。

●「成年」であれば、誰でもなれる

法律に書かれている証人の要件は、18歳以上の「成年」であることだ。婚姻届には「証人2人以上」の署名押印が必要とされている。

【民法739条】
1 婚姻は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

それ以外に、法律上定められていることはない。かならずしも血縁関係にある必要はなく、会社の上司や同僚、友人知人を問わず、誰でもなることができる。親族に結婚を反対されていたとしても、成年の証人さえみつかれば、婚姻届を出すことは可能だ。

これまでの芸能人の結婚報道をみてみると、さまざまな立場の証人がいることがわかる。

たとえば、モデルのみちょぱさんと結婚したタレントの大倉士門さんは、お笑いタレント浜田雅功さんに依頼している。お笑いコンビは相方が引き受けることも少なくなく、「南海キャンディーズ」のしずちゃん山里亮太さん、「ブラックマヨネーズ」の小杉竜一さんは吉田敬さんが、それぞれ証人になっている。

俳優の金山一彦さんと大渕愛子弁護士の婚姻届に署名したのは、歌手の吉川晃司さんだ。金山さんの古くからの友人だという。元野球選手の清原和博さんは、自身のものまねで知られるリトル清原さんの証人になった。

再婚の場合、前婚と同じ人に頼んでもよい。4回の結婚で知られるビッグダディの元妻・美奈子さんは、3回目まで同じ先輩が証人だったことを「水曜日のダウンタウン」(TBS、2020年放映)で明かしている。

それでも頼める人が誰もいないなど、どうしても証人をみつけられないときは、弁護士に証人を依頼するのもひとつの選択肢だ。

●2人の「婚姻意思」を確認すればよい

証人が必要とされているのは、2人がお互いに婚姻の意思を確実に持っていることを証明するためだ。婚姻は交際とはちがって、さまざまな法的関係が発生する。当事者の一方に無断で婚姻届が出されることや偽装結婚を防がなければならない。

もし、どちらか一方が結婚したくないのに証人欄に署名押印した場合には、2人に確認すべき注意義務を怠ったとして、損害賠償を請求されるおそれもある。

ただし、証人は婚姻関係が続くことを保証するものではない。夫婦が借金を返さなかったり、犯罪をしたりするなど、民事・刑事上のトラブルを引き起こしたとしても、責任を負う必要もない。お互いに婚姻の意思があるかの確認さえ怠らなければ、引き受けるリスクはほとんどないといえるだろう。

婚姻届の「証人」って、なに? 芸能人結婚では浜田雅功や吉川晃司、清原も署名