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「リスクモンスター」は、2023年6月に実施した格付ロジック改定によるRM格付変動状況を集計し、その結果を発表。

全ての業種で格上げ傾向にあるものの、 宿泊業・飲食店では警戒が続くという結果になりました。

今回は、第16回「格付ロジック改定によるRM格付変動の影響」調査について紹介していきます。

 

リスクモンスター 第16回「格付ロジック改定によるRM格付変動の影響」調査

 

調査名称:第16回「格付ロジック改定によるRM格付変動の影響」調査

調査方法:RM格付の遷移状況調査

遷移調査時点:2023年6月18日(日)

調査対象企業:2023年6月18日時点でRM格付がA~F格である1,302,625社

 

リスクモンスターでは、企業の信用力をA、B、C、D、E、Fの6段階に格付けしています(RM格付)。

この格付は、倒産実績に裏付けられた独自指標(RM格付)で、A格の企業は倒産確率が低く倒産しにくい企業、F格の企業は倒産確率が高く倒産に近い企業といえます。

500万社超の膨大な企業群を対象に格付けし、統計的に格付ごとの倒産確率を算出して提供しています。

定期的な企業データ、倒産データの更新・蓄積に留まらず、毎日の特種情報の収集分析により格付補正を続けているのもRM格付の大きな特長です。

リスクモンスターは、2023年6月に実施した格付ロジック改定によるRM格付変動状況を集計。

第16回「格付ロジック改定によるRM格付変動の影響」調査として結果を発表しました。

今回の調査結果格付変動の内訳としては、格上げは113,572件、格下げは49,708件と、格上げ企業数が格下げ企業数を上回る結果に。

経済活動の正常化が進む中で、収益改善が期待できる企業を中心に信用力の改善が進んでおり、全ての業種で格上げ傾向となっています。

一方で、今後「ゼロゼロ融資」の返済が本格化することから資金繰りが悪化する企業の増加が懸念されます。

特に、宿泊業や飲食店では、インバウンド需要の回復により事業環境の改善が期待できるものの、人手不足から十分に営業稼働できず、返済原資となる収益を確保できない可能性もあり、資金不足に陥るリスクを抱えています。

この二業種では、他業種と同様に「格付ロジック改定」によりD格から高格付への格上げが進んだものの、全体に占める低格付の割合が他業種よりも比較的多い状況が続いています。

今回の「格付ロジック改定」では、日本の景気局面の変化及び倒産動向を捉えつつ、定量・商流分析の強化に取り組み、与信審査・企業分析のプロであるアナリストの分析を盛り込むだけでなく、AI技術を利用した倒産分析結果を活用し、各分析指標の判定に反映しています。

社会情勢の急速な変動や、企業を取り巻く経済環境も複雑性を増している昨今において、これらを反映し、倒産予兆を捉えることで、RM格付の精度向上を実現しています。

 

格付変動は163,280件、格下げ企業を格上げ企業が上回る

 

 

2023年6月18日に実施された「格付ロジック改定」により、RM格付の分布は、A~C格232,558件(構成比17.9%)、D格160,069件(同12.3%)、E~F格909,998件(同69.9%)となっています。

格付遷移状況について、2023年5月と6月の格付を比較したところ、格付変動が生じた企業は163,280件(構成比12.5%)となりました。

変動幅としては1ランクの変動が137,097件、2ランク以上の変動が26,183件、格付変動無しが1,139,345件(同87.5%)となっています。

 

 

格付変動企業のうち、格上げは113,572件、格下げは49,708件となっています。

「格付ロジック改定」により格付評価の適正化を図ったほか、6月18日メンテナンスにて決算情報を更新した結果、格上げ企業数が格下げ企業数を上回る内容となりました。

格付別の格上げ割合としては、「C格からA~B格への格上げ」(格付別格上げ割合21.8%)が最も多く、次いで「D格からA~C格への格上げ」(同20.0%)となっています。

 

全ての業種で格上げ傾向にあるものの、宿泊業・飲食店では警戒が続く

 

 

業種ごとの格付遷移状況を調査したところ、全ての業種において、高格付企業が増加し、D格企業が減少する変動となっています。

物価高や海外経済の影響を受けつつも、日本国内の景気は緩やかに回復しています。

日銀短観6月調査においても、大企業の業況判断DI(「良い」-「悪い」社数割合)が、製造業・非製造業ともに前回調査から改善しており、製造業に関しては7期ぶりの改善となりました。

今回の「格付ロジック改定」では、企業の規模や業種に応じた収益構造を分析し、各評価指標に反映しています。

経済活動の正常化が進む中で、収益改善が期待できる企業を中心に信用力の改善が進んでいます。

 

 

一方で、今後8月までに中小企業に対する新型コロナウイルス支援策である「ゼロゼロ融資」の返済が本格化することから、資金繰りが悪化する企業の増加が懸念されます。

特に、宿泊業(中分類業種コード 75)や飲食店(同コード 76)では、インバウンド需要の回復により事業環境の改善が期待できるものの、人手不足から十分に営業稼働できず、返済原資となる収益を確保できない可能性もあり、資金不足に陥るリスクを抱えています。

宿泊業や飲食店では、他業種と同様に「格付ロジック改定」によりD格から高格付への格上げが進んだものの、全体に占める低格付の割合が他業種よりも比較的多い状況が続いています。

 

リスクモンスターが発表した、第16回「格付ロジック改定によるRM格付変動の影響」調査の紹介でした。

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