BE:FIRST

 BE:FIRSTが、Documentary「What's the "Mainstream"?? #01」を公開した。

 【動画】公開されたBE:FIRST Documentary「What's the "Mainstream"?? #01」

 2021年8月16日、「Shining One」でプレデビューし、いきなり各種チャートの1位を席巻。革命を起こし続けてきたダンス&ボーカルグループ、BE:FIRSTが9月13日に4thシングル「Mainstream」をリリースする。

シングルの表題曲としては初めてメンバーが1から制作に携わったエポックメイキングな楽曲をリリースするにあたり、8月16日、プレデビュー2周年を記念したYouTube Liveの直後にドキュメンタリー映像が公開された。YouTube Liveでメンバーの口から発表されたシングルタイトルは「Mainstream」だ。

ドキュメンタリー映像の冒頭で、音楽雑誌「MUSICA」の編集長であり、BE:FIRSTにとって縁の深い大型ロックフェス「VIVA LA ROCK」のプロデューサーを務める音楽ジャーナリスト鹿野淳氏が「Mainstream」という言葉について、「音楽シーンにおいては、多くの人を巻き込んで自分たちが新しいスタンダードになるという意味合いがある」と説明。続けて、「『Mainstream』という楽曲はある意味異色な曲。この異色な曲にあえて『Mainstream』というタイトルを付けた意味合いを解き明かしてほしい」とBE:FIRSTの7人にリクエストし、SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEO、それぞれが自らフリップに書いた「Mainstream」という言葉に込めた思いを見せながら、解説をスタートさせた。

 RYUHEIは「独自」。「“独”1文字でも良かった。(BE:FIRSTは)良い意味で孤立したがるようなグループ。毎回、世の中に提示するような楽曲を出してきた」

JUNONは「オリジナル」。「流行のトップを走っている人はオリジナルを持っている。(BE:FIRSTは)元々個性が強いグループだったが、初ツアーを経て、さらに自分たちの個性への理解が深まった」

 SHUNTOは「中心」。「自分たちの芯であり、中心となる音楽。『好きだな』『かっこいいな』と思う曲が『Mainstream』」

SOTAは「先頭」。「今の流行は一秒ごとに更新されていくので、先頭に立ってかっこいいことをやったもん勝ちであるということに挑戦した楽曲が『Mainstream』。BE:FIRSTは特に今年に入ってから、『今この瞬間イケてるものを一歩先に出すことが大事』ということを考えるグループになった。その気持ちを楽曲に反映して踏み出せた。内側の僕たちのこともさらに進化させてくれた楽曲」

RYOKIは「まるはだか」。「7人それぞれが作りたい楽曲を提示したら全然違う楽曲になると思うが、BE:FIRSTとして『Mainstream』を出す意義があった。グループとしてかっこいいものを追求するために、丸裸になった気持ちで取り組む姿勢が大事だった」

MANATOは「根本」。「僕たちのこれまでのバックボーンにあるものが『Mainstream』の核になっているし、これこそBE:FIRSTの神髄だと思った」

LEOは「覚悟」。「デビュー当時から言っていた、『自分たちが目指す音楽を前に進めたい』という覚悟を持っている楽曲だと思った」

7人の解説を聞いた鹿野氏は、「実際に楽曲を聞くと世の中の“Mainstream”っぽくない楽曲なので不思議に思った」と口にした。それに対しSHUNTOは「大衆音楽という視点だとそう思われてしまう。日本の音楽シーンの現状として、僕たちが『明らかにかっこいい』と思っているヒップホップの楽曲の再生回数がそこまで多くないケースがある。大きなことを言うと、それを変えていきたい。どこか悔しさも感じながら、『Mainstream』はBE:FIRST史上、一番こだわってレコーディングした楽曲」だと話した。

 SOTAも、「『Mainstream』みたいな楽曲がど真ん中だった時代もあった。そういった楽曲に憧れを持っている僕たちが音楽を表現する側になったことで、こういう楽曲が“Mainstream”として受け止められるようになったら幸せ」という風に、自分たちのルーツとなる音楽への深い愛とリスペクトを口にした。

そしてRYOKIが、「そもそも正統派や多数派ということを考える意味って何なんだろう?と思う。この楽曲を通して、やりたいことをやる大切さと自由さを改めて世間に放つことができたらすごく意味がある。今後BE:FIRSTが発表する曲がメインストリームになっていくための第一歩でもある」と話し、これからさらにBE:FIRSTが躍進していくであろう未来を予感させた。

鹿野氏は「この曲が表題曲ということは強い意思表示になるし、楽曲が非常にギザギザしていて、込められた思いが強い」と評した後、「SKY-HIによる歌詞はBE:FIRSTへの挑戦状。だからこそ、みんながこのトラックとビートに立ち向かうんだというモードになっていったのではないか」と持論を展開。

 LEOは「確かにそれはあるかもしれない。リリックにもあるが、『Mainstream』という楽曲はBE:FIRSTとして明確に世界に向けた1曲でもある。自分たちがここまで自主性を持って日高(光啓)さんと楽曲を作り上げたことは初めて」だと明かした。

メンバー7人による「自分たちが鳴らすべき音楽とは?」「自分たちが進むべき道とは?」という濃密な話し合いを経て、所属事務所「BMSG」の代表であり総合プロデューサー・SKY-HIへその思いを伝える場が設けられ、「Mainstream」の制作が始まったという。

思えば、今年1月にTikTokとInstagramで先行リリースされた「Boom Boom Back」はメンバーのルーツのひとつである90年代ヒップホップテイストが色濃い曲で、「自分たちがやりたかった音楽の第一歩」だとメンバーは口を揃えて言っていた。今のJポップのメインストリームとは毛色の違う楽曲ではあるが、結果SNSでは「#BBBChallenge」というハッシュタグが大量に発生し、多くの人が「Boom Boom Back」を踊る動画を投稿するという異例のヒットとなった。

 「Boom Boom Back」の手応えにより、7人はさらに「自分たちがやりたい音楽」に突き進む覚悟と確信を得たのだろう。力強い口振りから、そんな大きな前進を感じた。そして、これからBE:FIRSTが歩もうとしている道では、結成当初から彼らが掲げる「クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファースト」という三本柱がさらに発揮されることになるのだろう。【文=小松香里】