庭の片隅に突如現れた奇妙な4本足の生き物が、米テキサス州の住民を困惑させ、動物の専門家さえも頭を悩ませている。目撃者がSNSに写真を投稿して、その生き物が何であるか情報を募ったところ、多くの地元民から様々なコメントが寄せられたが、現在も特定に至っていない。米テキサス州のニュースメディア『KENS』『Chron』などが伝えた。

現地時間15日、米テキサス州サンアントニオ郊外に位置するヒル・カントリー・ビレッジ(Hill Country Village)の自宅から庭を眺めていたティナ・カーリグさん(Tina Kahlig)は、5.5エーカー(約2万2260平方メートル)のその広い裏庭に奇妙な動物が佇んでいるのを見つけて驚いた。

それは地面につきそうな長い尾ととても大きな立ち耳を持つ、黄褐色の動物だった。ティナさんによると、謎の生き物は彼女の庭を歩き回り、茂みから落ちたベリーを食べるためにほんの少しの間立ち止まり、その後、藪の中に消えていったという。

ティナさんは、目にした動物の特徴について、コヨーテよりも大きくて、マウンテンライオンピューマ)ほどの大きさに見えたが、耳は似ていなかったと述べ、30年以上も牧場不動産ビジネスに携わってきた彼女は、これまで多くの野生動物を見てきたが、このようなものは見たことがないと言う。

「あれは何だったのか」と気になったティナさんは、動物が庭から消える前に撮ることができた数枚の写真を地域住民型SNS『Nextdoor』に投稿し、地元の人々に助けを求めた。

そして米テキサス州のニュースメディア『KENS』のインタビューに応じたティナさんは、「チュパカブラだというコメントがありました」と笑いながら明かした。チュパカブラは、家畜や人間を襲い血液を吸うと言われ、主に中南米でよく目撃される未確認動物(UMA)だ。

ほかにも、「コヨーテと犬を掛け合わせたもの」「ディンゴとの雑種」「ハイエナみたいだ!」「コヨーテにしては、筋骨隆々で背が高い」「お腹を空かせたマウンテンライオンに見えるね、しっぽが長すぎるから犬とは思えない」などと住民らは写真をもとにあれこれ推理し、一日で100件もの意見があがったという。

また興味深いことに、地元の伝説の生き物だという声もあった。

ヒル・カントリー・ビレッジ周辺には、年老いたマウンテンライオンが徘徊すると言われているのだが、『KENS』が地元自治体の担当者に確認したところ、伝説とされる動物はこれまで誰にも撮影されたことがなく、記録にもないという回答だった。

ティナさんから連絡を受けた動物学者は、これはニューギニア島で発見された、非常に珍しい古代の系統の犬種であるニューギニア・シンギング・ドッグである可能性が高いと考えている。『KENS』が検証を依頼したサンアントニオ動物園哺乳類ディレクター、レイチェルマルスタッフ氏(Rachel Malstaff)は、写真から犬かコヨーテのようだと推測しており、同園の獣医師も同意して、おそらく皮膚に問題を抱えた犬であると述べた。

また地元自治体と『KENS』は、それぞれテキサス狩猟監視員協会(Texas Game Warden Association)に連絡を取り、返答を待っているところだという。

皮膚病の犬か、伝説のマウンテンライオンや絶滅寸前の野犬か―テキサス狩猟監視員協会からの早い返答が待ち望まれる。

ちなみに米フロリダ州では昨年、“大きな耳に毛のない全身灰色をした謎の動物”が街中で目撃され、その正体をめぐってネット上では様々な憶測が飛び交った。

画像は『Chron 2023年8月18日付「Chupacabra? Weird animal found in Texas neighborhood baffles residents」(Tina Kahlig)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)

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