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世の中って、特定の職業に就く人たちへの監視の目が変に厳しかったりする。たとえば警察官や救急隊員がコンビニでおにぎりを買っていたら「コンビニでおにぎり買ってる! けしからん!」と文句を言うしょうもないのがいる。

全くもってその精神構造が分からない、意味不明なクレーマー気質にはあきれるばかりだが、一方で「まあ、それはちょっと分かる」ってなるのがお坊さんへの似たようなクレーム。昔から、坊さんが高級車に乗っていたり、飲み屋でバカ騒ぎしているのを見て、複雑な思いに駆られる人って多いんじゃないだろうか。僕も正直そういうタイプだ。

自分は若い頃にお姉ちゃんをテーブルに着かせるタイプの飲み屋で働いていたが、坊さん集団の悪乗りは結構目に余ったからだ。なんか金遣いも荒いし飲み方も汚くて。そういう人ばかりじゃないんだろうけど、やっぱなんか、嫌だなぁ。

その延長線上にあるのが、坊さんのギャンブル問題だ。(文:松本ミゾレ)

「坊主のくせに賭博とはけしからん!」と思う気持ちはちょい分かる

先日、5ちゃんねる「パチンコ屋に坊さんいたんだが」というスレッドが立っていた。スレ主は「いいのか?」と書き込んでもいる。しかもこの坊主の場合、袈裟を着用したままパチンコホールに滞在していたとのこと。これが本当ならちょっとやばいよね。

実際に何か打っていたかどうかについてまでは言及がないのでアレだけど、どのみち袈裟を着ている人がパチンコホールをうろうろしていたら、文句をいわれても、まあ仕方がないように思える。これが本当の話なら、だけど。

ワンチャン、盛ってんじゃないの? って思っちゃうような。普通に考えればあり得ない話なんだけど、事実は小説より奇なりともいうし、ひょっとしたらスレ主の発言は事実なのかもしれない、たまにちょっとおかしな坊さんもいるし。

ただ、スレ主は他にも「袈裟は着てるが剃髪はしていなかった」と書き込んでもいる。これがちょっと気にかかる。それってなんかゲン担ぎのコスプレに走ったおっさんなのでは? という気もするところ。勝つためには何だってするおっさんがうようよしているのも、パチンコホールの特徴だし。

近所のパチンコホールでは打たない、という坊さんも

ここからは僕の身近にいる、パチンコをやる坊さん2人の話をしたい。当たり前の話だけど、お寺さんにはそれぞれに檀家がいるので、檀家の目を普段から気にしている。なので、通常は檀家の目につきそうな立地のパチンコホールには立ち寄らないという坊さんがほとんど。

僕の同級生の坊さんの場合、まず地元では打たない。あちこちに檀家がいるし、やっぱり生臭坊主に思われたくないのだろう。完全に生臭坊主だけど。

パチンコも、それこそ地元から高速を使って到着するような、相当離れた町の檀家に呼ばれて法事なり葬儀なりする合間に、ちょろっと嗜む程度で抑えている。正式に住職を継承する前の20代前半ぐらいまでは結構一緒に近所のパチンコホールをうろついていたけど、やっぱり寺の看板って重いみたいで、恐らく今はどんなに僕が誘っても、地元では一緒に打ってはくれないだろう。

もう1人、これは千葉県にあるお寺で雇われ住職をしている坊さんの話も。この人は僕より年齢が一回り上なんだけど、たしかパチスロ関連の社会人サークル(底辺極まりない集まりだ…)で知り合った。

結構なイケメンで坊主がよく似合うんだけど、この人の場合は寺の看板まではそこまでしっかり背負ってないので、軽い変装をして地元で打ってる感じだった。たとえばニット帽を深めに被ったりするのは基本。あとオシャレなので、傍から見ると僧侶とは思えない私服でホールを出入りしていたり。

檀家から何か言われた、という話も聞かなかったし、コロナ禍以降はマスク着用もデフォになったので、今だともっとバレにくいのかもしれない。こんな感じで、大なり小なりではあるけれど、坊さんはパチンコをする際にはある程度の配慮をしている。

前述のスレッドでは剃髪していないけど袈裟は着用している坊主が目撃されていたけど、まあそういう人もいるのかもね。世間は広いし坊さんは滅茶苦茶多いしね。

「パチンコ屋にお坊さんがいた」という目撃情報 実際の僧侶は檀家の目を気にして変装して打つことが多い