リバプールでいきなりデビューを果たした遠藤。定位置を奪取できるか(C)Getty Images

 サッカードイツ1部シュツットガルトからイングランドプレミアリーグリバプール移籍を果たした日本代表MF遠藤航8月19日、ホームのボーンマス戦でいきなりデビューした。

 前日に加入が発表されたばかりの状況でベンチ入りを果たすと、MFマカリテルが退場で10人となっていた中で3-1の後半18分から出場。4枚の中盤でダブルボランチの一角に入り、危なげないプレーを見せた。同22分には好判断で相手からボールを奪うなど持ち味を見せ、チームはそのまま3-1で逃げ切り、開幕2戦目で今季初勝利を挙げた。

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 30歳でのプレミアリーグ移籍、さらに国内屈指の名門への加入とあり、遠藤の移籍はイングランドのみならず、欧州各国で大きなニュースとして扱われている。

 一方、前所属であるシュツットガルトではキャプテンという重責も担ってきており、印象に残る活躍もみせ、数シーズンにわたり中心選手として功績を残してきた。リーグ戦開幕直前での移籍とあって、ドイツ国内でもさまざまな反応が伝えられている。

 シュツットガルト公式サイトでは、移籍が正式決定した18日、「ありがとう、ワタル」と銘打ったトピックを配信した。

 その中では、遠藤について「4年間、胸に赤いリングが描かれたジャージに身を包み、4年間、試合ごとに全力を尽くした。2021/2022年シーズンからはキャプテンとしてVfBを率いている。彼は中盤の要であり、献身性、意志の強さ、忍耐力において模範となった」と功労者への言葉を記している。

 他にも「首脳陣たちは彼の資質をチームのボディーガード、リーダー、スタビライザー、あるいは戦士といった言葉で表した」と指導者からの評価を振り返っており、加えて「その強烈なプレースタイルにより、日本人はブンデスリーガで最高のタックラーであり最強のランニングプロの一人に成長した」と指摘。シーズンでのボール奪取の精度や走行距離がトップクラスであると称えた。

 また、シュツットガルトに本部を置く放送局『SWR』でも日本人MFへの惜別のトピックを公式サイト上に掲載。「VfB(シュツットガルト)でのレジェンドの終焉、かけがえのない存在の喪失」というタイトルの通り、日本人MFを失うこととなった困惑の言葉が並んでいる。

 同メディアは「クラブの周囲に感じられた多幸感は、シャボン玉のように素早く突然弾けた」と遠藤の移籍を表現しており、さらに「確かなことは、2019年にシュトゥットガルトに加入し、2022年5月14日に感情のピークを経験し、2023年8月12日に最後のゴールを決めたこの男の代わりを、他のVfBの選手が務めることはできないということだ」とこれまでのパフォーマンスに触れながら、貢献度の高さを強調した。

 今回のトピックはいずれも、遠藤がいかにシュツットガルトのファン、関係者から愛されていたかが伝わる内容となっている。多くの人々の想いを受け、サムライは新たな大舞台でさらなる飛躍を目指す。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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