人知れず、ルール違反が行われやすいのが駐車場や駐輪場。部外者からは気づかないが、じつは無断駐車、駐輪がしばしば行なわれているのだ。

現在X(旧・ツイッター)上では、そんな無断駐車に対する「絶対に逃さない」という強い意志に、注目が集まっているのをご存知だろうか。

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■無断駐車の車を見て…

今回まず注目したいのは、静岡県沼津市にある「井草呉服店」の代表取締役・井草雅彦さんが投稿した一連のポスト。

「弊社駐車場に無断駐車なさっている緑色のフィットの方、私帰りますのであとはよろしくお願いいたします」と記された投稿には1枚の写真が添えられており、左手に壁、前方にフェンスがある位置で駐車された緑色の車の後方に、文字通り「ピッタリ」と駐車した車の様子が確認できる。

駐車場

この位置に駐められると緑色の車は前にも後ろにも進めず、まさに「詰み」の状態となってしまう。


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■「自業自得」「性格悪い」と賛否

思わず同情してしまう光景だが、ポスト本文にもあるように「無断駐車」となると、事情が変わってくる。こちらのポストは、投稿から2日足らずで2万件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。

中には「こんなことするより、警察呼んだ方が良いのでは」「これ晒すのは性格悪いな」といった批判、疑問の声も寄せられていたが、「無断駐車した側の自業自得」「警察に言っても何もしてくれないから、自力でどうにかするしかないんよな」「1億回くらい切り返しすれば、出られるんじゃない?」など、店側を擁護する意見が多く見受けられた。

そこで今回は、こうした対応に至った経緯や、話題の車の「その後」について、ポスト投稿主・井草さんに話を聞いてみることに。その結果、様々な事実が明らかになったのだ…。


■「これまでの被害」に思わず同情

車を発見した際の様子について、井草さんは「(無断駐車に)気が付いたのは8月20日の午後6時20分くらいです。通用口から道を挟んで駐車場があるのですが、店を閉めて出た際に発見しました」「同日は6時半から町内会の会合があったので、駐車場の入り口のロープを張っていこうとも思ったのですが、簡単に逃がしてしまっては面白くないので、このような手段を取りました」と説明する。

駐車場

こちらは店舗の駐車場であるため、営業時間中は客が自由に出入りできる環境となっている。しかしそのため、こうした無断駐車が後を絶たないというのだ。

井草さんは「営業時間中の発見は、持ち主が戻ってきたところを捕まえて駐車料金を支払ってもらいますが、取り逃がすこともしばしばです。また閉店後に駐められてしまうケースも多々あり、私が夜の会合から戻ってきたときによく停められていました」とも補足しており、無断駐車に関してはかなり苦労していることが窺える。

過去にも様々な対策を講じてきたが、警察に通報しても全く進展がなく、「有料駐車場」の看板は無視され、注意の張り紙は剥がされ、駐車場入り口にロープを張った際は「ロープを切断される」事態となり、長年頭を悩ませていたという。

駐車場

なお、気になる車のその後については、ポスト投稿の翌朝に「どうにかして車を出せないか」と、努力した痕跡を発見。しかしやはり相当なハードモードだったため断念した車のオーナーは、諦めて井草さんの元に謝罪に現れたのだった。

駐車場

なおオーナーは、井草さんの店舗の近所の店を利用していた人物で、店主と共に謝罪にやってきたそう。井草さんはツリー投稿にて「外国人の方で、うち(近所の店)の看板がよく分からず間違えて停めてしまった、とのこと」「20代くらいの若いお兄ちゃんが異国の地で頑張っているのと、そのお店とは仲良くしているので、店主さんに免じて2,000円だけ駐車料を頂きました」と、説明していたのだった。

当初はどのように帰結するのか心配しながら見守っていたユーザーも少なくなかったが、なんとも粋な対応に称賛と安堵の声が寄せられている。

すっかり「無断駐車への対策」のイメージが強まってしまった井草さんだが、本業は呉服店、そして沼津新仲見世商店街の会長である。

井草呉服店

井草呉服店では9月22日より、200色の色無地を用意し、パーソナルカラー診断によってその人物を引き立てる色を見つける展示会を開催予定。また、9日には沼津新仲見世商店街の毎月恒例イベントも実施されるとのことだ。

興味がある人は「駐車ルール」をしっかり守り、足を運んでみてほしい。

■運転の達人なら脱出できるかも?


■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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