全国の大学生が福島12市町村の地域資源を活かしたアイディアあふれる「観光まちづくりプラン」を提案し競い合います。

この夏、多くの大学生が自ら12市町村(原子力発電所事故に伴う避難指示等の対象となった、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)を訪れ、フィールドワークを行いました。それぞれの専門分野を生かし福島12市町村を盛り立てる観光まちづくりプランを作り上げます。

大学生の思いのこもった観光まちづくりプランは、9月15日に富岡町文化交流センター「学びの森」で発表されます。大学生の目に映る、震災から12年たった福島12市町村の姿、そして未来への意見を知ることができる機会です。ご来場をお待ちしております。

震災から12年。震災当時に双葉北小学校に通っていた学生も

参加者の中には、震災当時、双葉北小学校2年生だった吉田さんも参加しています。吉田さんは、現在、獨協大学の3年生です。吉田さんの故郷である双葉町を、また多くの人が訪れる町にしたい。そんな思いで獨協大学の米山ゼミに所属する 20 名は実際に双葉町を訪れ観光資源を知るためのフィールドワークを実施しました。

筑波大学の渡邊智也さん(修士 2 年)は、いわき市の出身です。大学に進学すると、地元福島のことを聞かれることが多く、福島の注目の高さに驚いたと言います。

「自分がもっと福島のことを知り、復興に役立ちたい」との思いから今回のコンテストに参加しています。さらに、ナイジェリアの留学生もこのゼミには所属しています。

優秀なプランについては、JTBグループや自治体及び地域企業等が、商品化やプロジェクト化を検討します。

大学生観光まちづくりコンテスト」とは

  • JTB と三菱総研が運営事務局となり今年で 13 回目を迎える

  • 昨年より福島県の被災12市町村を対象とした「福島復興ステージ」を設置

  • 今年は全国 49 大学 117 チームがエントリー (過去最多)

一部ではありますが、すでに行われたフィールドワークの様子をご紹介します。

筑波大学
チーム「松原ゼミ 社工×国際」9 名
テーマとする市町村:南相馬市

チームの特徴や想い

  • プランの実現化までを目的としてコンテストに参加

  • 専門性、海外留学の視点を生かしてプランを作りたい

  • チームにはナイジェリア出身の女子留学生(修士)も所属

  • メンバーの渡邊智也さん(修士 2 年)は、いわき市出身で幼少期は J ヴィレッジ でサッカーをして育った。県外の大学に進学し、福島のことを聞かれることが多く、もっと地元のことを知らないといけないと思い、被災地の取組に積極的に参加

  • 松原ゼミが取り組んでいる歴史・都市計画と親和性があること、筑波研究学園都市も最新技術を取り入れたまちだがロボットの先端産業を誘致している点で共通点があることから南相馬市を選定

  • 体験型観光が注目を浴びており、必ずしも観光地と呼べる場所ではなくても観光資源になり得ると可能性を感じている

主な訪問先:

(1)みなみそうま移住相談窓口「よりみち」

「よりみち」が実際に取り組んでいる、学生や若者向けの体験プログラムやイベント企画を紹介してもらいました。また、I ターンや U ターンを決断したスタッフ自身の経験談や、南相馬市の地域性を聞きました。リアルな声を知るため「今後どんな南相馬市になって欲しいか?」「地元住民とはどんな交流をしているか?」といった質問をしました。これに対して「よりみち」スタッフからはコンテストのプランについて、「自分たちがやりたいことの視点」と「地元で引き受けてくれる人の視点」の両方があるといいといったアドバイスをもらいました。

(2)南相馬市観光交流課

南相馬市第三次総合計画における観光交流の取組や現状の課題についての説明を聞きました。事前に提出していた、この地を代表する行事「相馬野馬追」に関する質問事項に答えてもらいました。昨年今年と相馬野馬追を連続で観覧した学生から「変えようと思えばいくらでも現代風にアレンジできるのに伝統を守ることへの住民の思い」はどんなものなのか質問しました。またフィールドワークで訪れた北泉海岸の砂浜がすごくきれいだったことに感動した学生が「その割には観光客が少ないという印象だった」という感想を観光交流課に直接ぶつけました。筑波大学松原ゼミではこのフィールドワークを受けて、南相馬市が提示する3つのコンテンツ(うまのまち、サーフィンの聖地、ロボットテストフィールド)の全部を取り入れたプランを作りたいと意気込んでいます。

獨協大学

経済学部 米山ゼミ 20 名

テーマとする市町村:双葉町

チームの特徴や想い

  • チームには双葉町出身の吉田さん(震災当時は双葉北小 2 年)が所属

  • 多くのゼミ生が双葉町の復興に関心を持ち、今回のゼミ合宿の企画に繋がった

  • 米山ゼミとして双葉町、双葉郡の復興に何らかの形で関心を持ち、関わっていきたい

  • 私たちにできることは、地元住民の皆さまに新しい視点を提供しながら、住民の皆さまの想いを集約するお手伝いをして企画を纏めることだと考えている

  • 住民と交流し、課題を共有し、主体は住民という考えでプランを作っていく

主な訪問先:

(1)(株)ふたば

震災と原子力事故を契機に、ワインで新たなコミュニティを創る復興まちづくりをしている会社。住民と意見交換し住民が納得した上で新しいものを作っていくという取組に関する説明を聞きました。その後、とみおかワインドメーヌの小浜圃場を見学。住民の気持ちを尊重したプラン作りがこの地での復興に関して、いかに重要であるか学びました。

(2)ふたばプロジェクト

双葉駅周辺を散策し壁画ア―ト等を見学し、双葉町の紹介やふたばプロジェクトの取組に関する説明を聞きました。震災前は町民の生活の一部だった海と、避難継続中の住民が集まるきっかけになるイベントを織り込んだプランのヒントをこの場所のフィールドワークで得ることができました。

(3)浅野撚糸

浅野撚糸は撚糸やタオルを作っている会社で2023年4月に双葉町に新工場を開設しました。双葉町への進出を決意した理由、これからの未来を双葉町と共に歩んでいくという会社の決意を聞きました。続いて稼働中の撚糸工場内を見学しました。双葉町の力になりたいという企業と町が一緒に未来を描くまちづくりのあり方を学びました。

福島復興ステージ「成果発表会」の日程・内容は以下の通りです。

日時:2023 年 9 月 15 日(金) 会場:富岡町文化交流センター「学びの森」

福島県双葉郡富岡町大字本岡字王塚 622-1 https://www.manamori.jp/
※ JR 富岡駅、宿泊施設等からシャトルバスをご用意

  1. 本選発表

    各チームが「どのような調査に取り組み、その結果からどのような観光まちづくりを実施すべきか」を発表

  2. 審査

    産官の有識者からなる審査委員会で、各チームの策定したプランを審査

  3. 各賞(予定)
    最優秀賞(1 チーム): 本選審査の合計点が最も高いチームに授与
    優秀賞(2 チーム): 本選審査の合計点が2位と3位のチームに授与
    審査員特別賞: 審査員の推薦により選出
    ※ 優秀なプランは、JTBグループや自治体及び地域企業等が、商品化やプロジェクト化を検討

  4. プログラム(予定)
    11:45  開 会
    【本選】プレゼンテーション
    17:15  表 彰
    18:00  閉 会

福島相双復興推進機構(官民合同チーム)では、昨年から「大学生観光まちづくりコンテスト」に参加しています。被災 12 市町村に多くの大学生に訪れてもらい、交流人口・関係人口拡大を目的としています。

すでに終了しているフィールドワークに関しては、写真の提供などが可能です。

取材に関しましては、福島相双復興振興機構までお問い合わせください。

公益社団法人 福島相双復興推進機構

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