今オフのFA市場における人気銘柄となっている大谷。その動向はすでに話題沸騰だ(C)Getty Images

 今オフにFA(フリーエージェント)になる大谷翔平エンゼルス)。メジャー6年目で「バグってないか」とネット上で騒がれるほどの好成績を収める天才の去就は、レギュラーシーズン終了まで40試合を切ったなかで、小さくない話題となっている。

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 もはや注目されるのは必然だろう。ただでさえ、大谷は現球界で“唯一無二”の二刀流を続けているにもかかわらず、投打両面で凄まじい成績を残しているのだ。

 打っては打率.306、43本塁打出塁率.407OPS1.071といずれも超一流のスタッツを居並べる。一方で投げても10勝を挙げ、防御率3.17、被打率.185奪三振率11.36とやはりエース級のそれを記録している。

 エンゼルス内で比較すると衝撃のチーム24冠。まさしくチームの顔となっているスターだけに、欲しくない球団があろうはずがない。

 そうしたなかで、「オプトアウト(契約破棄)権を求めると多くの人が予想している」と言及したのは、現地8月15日に米ポッドキャスト番組「Foul Territory」に出演した日刊紙『Seattle Times』でマリナーズ番を務めるイアン・デイビッシュ記者だ。

 デイビッシュ記者は、すでに12年7億8900万ドル(約1151億9400万円)という天文学的な金額が話題となっている大谷の契約について、「(ザック)グリンキーはFAとなったときに、『1ドルでも多く提示した球団に移籍する』と公言した。でも、オオタニが欲しいものは誰も分からない」と指摘。そのうえで、「おそらくオオタニが求めることのひとつに『自由』は入ると思う。チーム状況が悪くなった場合に、自由に(チームを)出ていけること。なぜなら、彼は今その権利を持っていないからね」とし、オプトアウト権を含めた契約になるだろうという持論を展開した。

「彼には6億ドル(約876億円)以上のオファーを提示しないといけないかもしれないが、オプトアウト権を行使する場合は6億ドル全てを支払う必要性はない。だから実質的にオオタニへ年俸を支払うのは2年ぐらいになるかもしれない」

 そして、「私がマリナーズの編成だったら」として、「彼はチーム状況を好転できる選手だから、(オプトアウト権が発動する)2年まで全てを賭ける。平均年俸を他の球団よりも多く提示する」と提案。そして、次の“仮説”を立てた。

「もしも、他のチームが年俸6000万ドル(約87億6000万円)の10年契約を提示したなら、マリナーズは年俸6500万ドル(約94億9000万円)の8年契約を結ぶ。そして、2、3、5、6年目のシーズン終了時にそれぞれオプトアウト権を行使できる条項を契約に盛り込むべきだね。私ならそうやって彼に『自由』を与える」

 大谷に自由を与え、争奪戦を制するというアイデアは実に興味深い。いずれにしても、今オフのFA市場においては日本生まれの偉才が主役となるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

大谷翔平に必要なのは「自由」 米記者が説いた激戦必至のFA争奪戦で“勝つプラン”「平均年俸を他球団よりも多くする」