好投を続ける岩崎は、防御率0.78と抜群の安定感を誇っている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神8月22日の中日戦でサヨナラ勝利を収めた。中盤まではリードされたものの、7回に登板したこれまで防御率0.00と抜群の安定感を見せていた齋藤綱記を攻め、森下翔太タイムリー2塁打を放って同点。延長までもつれたが、10回裏2死、ランナー無しから満塁のチャンスを作り、大山悠輔サヨナラヒットを打ってゲームを決めた。

【動画】大山が決めた!延長10回二死満塁の場面、4番の大山がサヨナラタイムリーを放った場面

 接戦をものにした試合内容であり、強いチームの勝ち方と言って良い。このまま優勝まで突き進んでいきそうな阪神ではあるが、懸念材料を指摘する野球解説者もいる。現役時代に日本ハムや阪神で活躍し、引退後は阪神の一軍投手コーチを務めた金村暁氏がYouTubeチャンネル『野球いっかん!』に出演。阪神が抱える懸念材料についてコメントした。

 金村氏は抑えの岩崎優が登板過多になっている現状を不安視。「(8月10日の)ジャイアンツ戦3戦目でベンチを外して甲子園に先に返して次の日から3連投したりとか。勝ってるからしょうがないですけど心配というか」と語ると、続けて「ダメな兆候が出てきたんですよ。球が全部上ずり出すんですよ、パフォーマンスが落ちると」「でも気合いでなんとか低めに投げて抑えて、みたいな」と投球の内容がやや悪化していると分析した。

 また、「ある程度負けてもいい。2位との貯金の差を考えれば」「岩崎優だけはとにかく大事にしてほしい」とゲーム差や貯金数などを鑑みても無理して岩崎を連投させる必要はないと口にする。そして、「今ケラーが一時帰国して、湯浅が今季絶望だったりで代わりがいないんです」と語り、「9月の大事な時期にパフォーマンスが下がってきたら大変なことになる」と懸念した。

 岩崎は現在セ・リーグトップの48試合に登板しており、月別の登板数は3・4月(8試合)、5月(10試合)、6月(9試合)、7月(10試合)、8月(11試合)。8月がまだ1週間近く残っているにもかかわらず、今月が最多登板となっている。岩崎の疲労度は心配になるが、勝負の9月に向けて岡田彰布監督がどういった采配を振るうのか見物だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

優勝に突き進む阪神の”懸念材料”を元投手コーチが指摘「岩崎は大事にしてほしい」