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23日、決勝で慶応に敗れ悔しそうな仙台育英ナイン(写真:時事通信

8月23日、第105回全国高等学校野球選手権記念大会の決勝戦が行われ、仙台育英(宮城)と慶応(神奈川)が対戦。慶応が8対2で勝利した。107年ぶり2度目となる夏の甲子園優勝を果たした慶応だけでなく、”アウェー”状態の中で健闘した仙台育英にも賞賛が送られている。

勝てば慶応にとっては歴史的な優勝になるこの一戦。しかしそれ以外にも、坊主ではない髪型や、練習時間の短さなどが注目され、慶応の優勝は“高校野球に新しい風を吹き込むきっかけ”としても期待されることに。仙台育英甲子園常連の強豪校であることもあってか、マスメディアの話題は“慶応一色”だった。

そんななか、甲子園球場で行われた決勝戦で目を引いたのも、慶応による圧巻の応援ぶりだった。三塁側の応援席からは1アウトをとる度に地響きのような歓声が、得点のたびに応援歌「若き血」の大合唱が発生。ホームランによる先制点を許したこともあり、仙台育英は完全に“アウェー”の状態となってしまった。また、慶応の応援には守備中にも歓声をあげるなど一部には“マナー違反”とされる行為もあり、仙台育英にかかっていたプレッシャーは相当なものだったとみられる。

しかし仙台育英も負けじと対抗。応援団甲子園球場を本拠地とする阪神タイガースチャンステーマを演奏したり、「内野席の皆さん!力を貸してください」とパネルを掲げるなどして一般観客を味方につけた。

2回までに3点を獲得した慶応に対し、仙台育英も2、3回に1点ずつ獲得して追いかけた。しかし、慶応が5回に5点を奪うと仙台育英は一気に追い込まれることに。そのまま慶応に抑え込まれ、仙台育英は準優勝に終わった。

試合後には涙を流す選手の姿も見られたが、厳しい状況にもかかわらず試合中は最後まで笑顔を絶やさず、あきらめることなくプレイした姿にねぎらいの声が相次いでいる。

仙台育英お疲れ様! アウェイな中ずっと笑顔で頑張っててほんとにすごいと思いました! ほんとにお疲れ様でした!!》
《最後まで笑顔でよくやりきったなぁー 高校生であんなアウェイな状況で野球するの苦しかったはず 育英史上最高のチームだったと思う お疲れ様でした》
《5回以降かなり厳しい条件の中、仙台育英の選手が笑顔でプレーしていたことに凄く心が救われました。見てるこっちが苦い顔してられない、普段通りのプレーが出来るよう笑顔でいるんだな、野球を楽しんでいるんだなと思えました》