芸人のみならず、音楽活動やファッションブランドのプロデュース、演技など多岐にわたる活躍を見せるお笑い芸人・EXIT。そのツッコミ・ネタ作成を担当しているりんたろー。が、8月25日(金)公開の映画「Gメン」にて銀幕デビューを果たす。小沢としお原作の『Gメン』は、友情、喧嘩、恋という男子高校生特有の青春が全て詰まった爽快エンターテインメント。そこで、りんたろー。が演じるのは、武華男子高校1年G組イチの武闘派、薙竜二だ。同じくG組メンバーの岸優太、竜星涼、矢本悠馬、森本慎太郎との撮影は映画同様「青春だった」そう。インタビューでは、撮影中のエピソードやお笑いと芝居への思いについて語ってもらった。
【写真】「テレビジョンの表紙風に写真を撮りたい」と存在しないレモンを持つりんたろー。
■薙になるため「わざと揉めるようにしました」
――2022年にドラマ化された「ナンバMG5」に続き、爽快感のある作品だなと感じました。りんたろー。さんは「Gメン」の魅力をどんなところに感じましたか?
爽快感と疾走感があって、自分が体験した青春時代にも結びつくような映画だなと思いました。あとはザ・クロマニヨンズさんの音楽がハマっていて、テンションが上がりました。
――りんたろー。さんが演じたG組イチの武闘派・薙竜二は、良い意味でりんたろー。さんらしさが残る役だなと感じました。ご自身的にはどうでしょう?
「薙 りんたろー。」っていう感じでしたよね。武闘派だけど友達思いみたいなところは似ているなと思いました。
――逆に、似ていない点や、薙になるために寄せていった点はありますか?
僕自身は、学生時代優等生だったので、そこはちょっと違うなと。薙みたいな青春時代も送ってみたかったなと憧れました。あとは、あまり喧嘩をしたことがなかったので、周りのスタッフさんと、わざと揉めるようにしました。
――書いて大丈夫ですかね?(笑)。ちなみに、なにで揉めたんでしょう?
「シャツが小さい!」って怒ってみたり…。撮影期間中はギクシャクしたんですけど、良いものが撮れたんじゃないかなと思います。事実なので、全然書いちゃってください!(笑)。
――りんたろー。さんから見て「この人、ハマり役だな」と感じた方はどなたですか?
みんなハマってはいたんですが、やっぱり森本慎太郎くんの梅田真大がハマってるなと思いました。実は、僕がこの映画に出るって発表されたときに、りんたろー。は梅田役だろうと予想が出たんです。でも、いざ蓋を開けたら慎ちゃんで「おいおい、りんたろー。なにやってるんだよ」みたいに言われたんですけど、慎ちゃんがここまで納得感のある梅田に落とし込んでくれたので、僕は炎上せずにすみました。
あとは矢本くんが演じた肝田茂樹。肝田って、めちゃめちゃ漫画のキャラクターじゃないですか。それをここまで違和感なく実写化したのはさすがだなと思いました。
■「今回は仲間なので」森本慎太郎とは2度目の共演
――現場の雰囲気はどうでしたか?
すごくにぎやかで優しい、いい人ばかりだったので、楽しくできました。僕自身、高校2年間、体育コースっていう部活に専念するクラスにいたんですけど、そのときはもう男しかいなくて。「あ、この感じなつかしいな」って思いました。
――G組メンバーの中では、1番年上でしたね。
そうですね。だから僕がリードして会話を回しまくって。そしたら竜星くんと矢本くんを中心に「りんたろー。さん!一生ついていきます!」「こんなに価値観を変えられた人は初めてです」「師匠と呼ばせてください」って言ってくれました。
――特にどんな話で盛り上がりましたか?
ごはん屋さんの話をよく話していたのですが、そのときに慎ちゃんだけチェーンのお店をずっと挙げていて「そういう時間じゃねえよ」って盛り上がりました。
――森本さんとは映画の中でもタッグを組むシーンが多かったですね。
今回が2回目の共演だったんですけど、1回目は慎太郎くんが刑事役、僕が犯人役で慎太郎くんをナイフで刺すというシーンがありまして…。でも、今回は仲間だったし、息ぴったりでやっているので、そこを見てほしいですね。今は自然と仲が深まって、プライベートでもよく遊んだり、電話したりしていますからね。
――どんな内容で電話するんでしょう?
ドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系)に出演していた時に「すっげえ良かったよ」ってLINEしたら、速攻で電話がかかってきて。僕から見たら自信作なのかなって思っていたんですけど、「あ、こんなにプレッシャーかかってたんだ」って思いました。
■相方の兼近にはよく「眩しい」って言われます
――映画を見て、喧嘩シーンもあり、ハードなシーンが多いなと感じました。
初めてのアクションシーンで松葉杖だったので、なかなか難しかったですね。でも、監督が「本当に初めて?」「筋がすごく良いよ」って褒めてくれたので頑張れました。褒められて伸びるタイプなので。
――そうなんですね。お芝居をやってみて、苦戦した点はありますか?
漫才と「間」が全然違ったところですかね。最初、普通に芝居していたつもりだったんですけど、みんなに「速いよ」って言われて。芸人って、間を埋めるために速くしゃべってるんだなって思いました。
――相方の兼近大樹さんも演技のお仕事が続いていますが、兼近さんからアドバイスをもらったことはありますか?
実は、逆にアドバイスしましたね。
――なんてアドバイスしたんでしょう?
人はやっぱり誰しも、演技しながら生きてるんすよ。こういう自分を見せたいみたいな。それに演技を足しちゃうと、ちょっと大げさになっちゃうから足さなくていいんだよっていう話をしました。そしたら「ありがとうございます」って言ってメモをとっていて…。
――師匠と弟子のような関係なんですね(笑)。
尊敬が半端じゃないんですよ。リスペクトが。よく眩しいって言われますから。
■ドームツアーにチャレンジし、賞レースで結果を残したい
――ファッションブランドのプロデュースや楽曲デビューなど、やってないことないのではないかと思うくらい多岐に渡って活躍してらっしゃいますが、今後挑戦してみたいことはありますか?
ドームツアーをやりたいなと思っています。漫才から歌唱まで全部詰め込んだような。それから、漫才、コント、賞レースとかは当然チャレンジしていきたいです。結局そこに立ち戻るというか。
――芸人さんのお話を聞いていると、とにかくテレビに出たい、賞レースで結果を残したいと、目指す先がさまざまかと思います。りんたろー。さんの、今の目標はどこでしょう?
今は、色々ひと通りやらせていただいたので、やっぱり賞レースは頑張りたいなと思っています。今、全国ツアーを回っているんですけど、そこで叩いたネタを賞レースにぶつけたいです。
◆取材・文=於ありさ
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