テネシー州の動物園で先月31日、珍しいキリンが誕生した。キリンは網目模様が大きな特徴の1つだが、生まれたキリンには一切模様がなく、全身が茶色の被毛で覆われていた。模様のないキリンが最後に確認されたのは、1972年上野動物園で誕生した個体であると、米ニュースメディア『CBS News』などが報じた。

レアキリンが誕生したのは、米テネシー州ライムストーンにある家族経営の「ブライツ動物園(Brights Zoo)」だ。誕生した雌のアミメキリンの姿を撮影した写真には、長い首を持っているものの、体には特徴的な網目模様は一切なく、全身が濃い茶色の被毛に覆われた姿が写っていた。赤ちゃんキリンの身長は6フィート(約182センチ)あると言い、母親のキリン動物園スタッフに見守られながらすくすくと成長している。

『CBS News』によると、最後に模様のないキリンが確認されたのは、1972年に東京の上野動物園で誕生した“トシコ”であるという。

キリンの網目は、自然界の中ではカモフラージュの役割を果たしており、その模様がないのは非常に珍しいそうだ。また網目模様はカモフラージュだけではなく、体温調節にも一役買っている。模様の下には複雑な毛細血管が通っており、茶色い斑点の部分から放熱して体温調節を行うという。

キリン保全財団「Giraffe Conservation Foundation」によると、アフリカ原産のアミメキリンは、2018年に絶滅危惧種に指定されている。ブライツ動物園の創設者であるトニー・ブライトさん(Tony Bright)は「模様のないキリンの赤ちゃんが国際的に報道されたことで、キリンの保護に関しても注目が集まりました。野生の個体数は過去30年で40%減少し、絶滅の危機に瀕しているのです」とコメントを公表した。

同園は今月22日、Facebookで模様のないキリンの赤ちゃんの写真を公開し、名前を募集した。投稿には4つの選択肢が記載されており、“ユニーク”を意味する「Kipekee」、“珍しい・並外れた”を意味する「Firyali」、“最も美しい”を意味する「Shakiri」、“屈指の美しさ”を意味する「Jamella」の中から名前が選ばれるという。

珍しいキリンの姿を見た人々からは「これはすごい!」「なんて可愛いキリンなの!」など驚きの声のほか、「白いラインがなくなったように見える」「茶色の部分がすっごく大きかったのかも」などキリンの模様について独自の捉え方をする人もいた。

ちなみに今年6月には中国で、野生では世界に1頭と言われる、全身が真っ白なアルビノのパンダが発見され、その姿を捉えた動画に注目が集まっていた。

画像は『Brights Zoo 2023年8月22日付Facebook「Name the baby giraffe」』『CBS News 2023年8月22日付「Tennessee zoo says it has welcomed a rare spotless giraffe」(BRIGHTS ZOO)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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