「今日こそたばこをやめよう……」そう決意しても、頭痛やイライラが出始め、吸いたい気持ちでつい手が伸びてしまう。あなたはそんな経験をしたことがありませんか? 禁煙は決心が必要なこと。また、たばこに関しては健康被害なども伝えられているため、決心したら一日でも早く取り組みたいもの。その困難な道のりを少しでもラクにするため、今回は禁煙時の離脱症状とその克服法を詳しくご紹介します。

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1.禁煙の離脱症状はどうして起こる?

禁煙を始めると、最初の24時間以内に離脱症状があらわれます。それは、たばこの中に含まれるニコチンという物質が、私たちの脳に直接作用するからです。ニコチンは神経伝達物質のひとつであるドーパミンの分泌を促進し、これが喫煙を続ける原動力となります。

しかし、たばこをやめるとこのドーパミンの分泌が急激に減少し、頭痛やイライラなどの症状があらわれるのです。これらの症状は最初の1週間程度でピークに達し、その後2~3週間で自然に消失するといわれています。禁断症状が長く続くと厳しいですが、ある程度の期間だと分かっていれば、耐えられる場合もあるかもしれません。

2.禁煙の離脱症状を抑えるには

離脱症状を抑える具体的な克服法を2つご紹介します。

2-1.代替行動
吸いたい欲求は3~5分で鎮まるといわれています。その間に何か別のことを行い、気を紛らわせましょう。手軽なのはガムを噛むことや歯を磨くこと。

他には、リラクゼーション効果のある瞑想やヨガなどの行動もおすすめです。また、趣味に没頭したり、散歩に出たりといった方法も効果的です。時間を有効に使い、禁煙への道のりを少しでも軽くしましょう。

2-2.禁煙補助薬
「禁煙補助薬」は、禁煙成功への頼れるパートナーです。使うことで、ずっとラクに禁煙を始めることができます。

市販の「ニコチンガム」や「ニコチンパッチ」は、強いニコチンの欲求を緩和し、禁煙をサポートします。これらは薬局や薬店で手に入れやすいです。

禁煙補助薬は個々の目標やニコチン依存度、生活習慣に合わせて選びましょう。適切な補助薬を利用することで、禁煙への道はもっと広がります。禁煙外来など設けているクリニックの活用もおすすめです。

3.漢方薬による禁煙成功例も

禁煙治療における新たな取り組みとして、漢方薬の活用が注目されています。日本禁煙科学会の研究によると、漢方薬は体質の改善に根本からアプローチし、禁煙による離脱症状を緩和する効果が報告されています。

論文によると、五苓散(ごれいさん)は頭痛や吐き気に、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と大建中湯(だいけんちゅうとう)は便秘に、抑肝散(よくかんさん)は頭痛やイライラ、不眠症に、そして麦門冬湯(ばくもんどうとう)は咳に対する効果があるとされています。これらの漢方薬を使用した結果、禁煙成功率が非使用群に比べて大幅に高まることが確認されました。(※1)

ただし、漢方薬の使用は漢方に詳しい医師や薬剤師の指導のもと服用することをおすすめします。自己判断での使用は避けてください。

不調を手軽に改善したい方におすすめなのが、「あんしん漢方」のようなAIを活用した新しい漢方相談サービスです。「オンライン個別相談」を利用すれば、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談でき、体質に合った漢方をお手頃価格で自宅まで郵送してもらえます。


●あんしん漢方

4.成功への一歩を踏み出そう!

禁煙はからだが求めるニコチンを我慢する戦い。しかし、その困難を乗り越えるための方法は多く存在します。からだが求めるニコチンの量をコントロールしたり、気を紛らわせる手段を見つけたりすることで、禁煙は決して遠い夢ではないのです。

1人で悩まず、適切な支援を受けてみてください。自分の健康のために、禁煙を成功させましょう。

(※1)
日本禁煙科学会. “禁煙外来における漢方薬追加処方の効果”. 禁煙科学, vol.11(03), 2017.03. J-Stage.

[文:あんしん漢方]

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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