U-21フランス代表の新監督就任が発表されたティエリ・アンリ氏だが、いまだ本契約には至っていないようだ。24日、フランス紙『レキップ』が伝えている。

 フランスサッカー連盟(FFF)は21日、U-21フランス代表の新監督にティエリ・アンリ氏が就任することを発表。契約期間は2025年夏までの2年間で、アンリ氏はU-21フランス代表を率いて、来年に控えた母国開催のパリ・オリンピック(五輪)に臨んだ後、2025年の夏に控えたUEFA U-21欧州選手権を目指して戦っていくことが決定していた。

 しかし同紙は、アンリ氏がフランスサッカー連盟との契約にサインしていないと主張。アンリ氏と長らくスポンサー契約を結んできたプーマとの関係が、サインに至らない理由と説明し、ナイキがサプライヤーを務めるU-21フランス代表の監督就任により、関係が崩れることを懸念しているという。

 また、アメリカ『CBSスポーツ』で評論家を務めていたアンリ氏だが、当初は今回の指揮官就任により、CBSでの活動を終了する予定だったものの、監督業と並行して評論家活動を継続する可能性が浮上しており、CBSとの話し合いが終了するまでは、フランスサッカー連盟との契約を結べないと指摘した。

 一方で、この2つの要因によって契約が破談する可能性は、ほとんどないことも強調。本契約に至っていないため、就任記者会見が行われていないものの、“アンリ新監督”の誕生は決定的だと報じている。

 現在46歳のアンリ氏は、現役時代にモナコアーセナルバルセロナなどのクラブでプレーフランス代表としても123試合の出場で51ゴールという成績を残しており、「FIFAワールドカップフランス1998」では母国を初優勝に導いた。現役引退後は、古巣アーセナルアカデミーコーチを務め、指導者の道へ。その後は、ベルギー代表のアシスタントコーチとして活動し、モナコメジャーリーグサッカーMLS)のモントリオール・インパクト(現:CFモントリオール)で監督も経験。2021年5月にはベルギー代表のアシスタントコーチに復帰し、1年遅れて開催された「EURO2020」や「FIFAワールドカップカタール2022」にも帯同した。

 カタールW杯終了後にベルギー代表チームを離脱してからは、各方面でサッカー評論家として活躍していた。

U-21フランス代表の新監督に就任することが発表されたアンリ氏 [写真]=Getty Images