今、メジャーと日本球界復帰で去就が注目されている川崎宗則。現在開催中の日米野球での現場にもちらほら現れてはメジャー選手たちに囲まれ、メディアでも明るいキャラクター故に人気モノと、今年の頭には「マイナー行きか、クビになるか判らない」でもがき苦しんでいた姿を思い出すと、誰がMLB開幕当初こんなモテモテのムネリンを予想していただろうか?

「海外でも面白い日本人」という面がクローズアップされがちだが、3年目のメジャーで川崎は大きく進化した。

昨年までの二年間、守備で高い評価を受ける反面打撃ではメジャー対応できなかったが、今年1月ブルージェイズは彼にワンチャンスを与えた、春期のキャンプでは「内野、外野できるポジションは全てやる」と冗談抜きで10年ぶりに取り組んだサード守備など、全ポジションのノックを受け続けチーム残留を決め、その間に打撃改造もコーチ指導のもと進めた。腹を括って形振り構わない姿勢になってから「最強の補欠」を目指した川崎は本当に凄かった。

結果、6月からはほぼレギュラーとして活躍、打率2割5分8厘打点17は一見凡庸に見えるが、粘り強いバッティングで相手ピッチャーの球数を稼ぎ、春のトレーニングで獲得した守備への信頼、そして多方面に知られるキャラクターの良さで、トロント・ブルージェイズというチームを盛りたてた功績が非常に評価された。だから上記の数字以上にチームは川崎を「価値」のある選手と見ている。

連日の移籍報道では複数の日本球団の名前が並ぶ、古巣のソフトバンクを筆頭に、イチロー選手とダブル獲得を目指すオリックス、中日さらにはヤクルトなどが手を挙げているとの報道もある。

新たに就任する工藤監督が直々にラブコールしたこともあり「ソフトバンク優勝したし ムネリン戻ってこないかな!」と"当然戻ってくるならソフトバンク"と揺ぎ無いファンもいれば、2年前からアプローチしていたこともあり「イチ&ムネ両獲り!」と叫ぶオリックス・ファンも。メジャーから復帰する選手でこれ程までにファンと現場両方から求められる選手も珍しい。

「子供の教育のために日本での野球も考え始めている」と語っているようにメジャーでの契約が無いから日本に帰ってくるということではないだけに、メジャーでの経験を得て進化した川崎が、日本で大活躍する可能性は極めて高い。

「複数のポジションを守れる」「打撃もメジャー対応」さらに「キャラクターで人を呼べる」実戦でも十分に期待出来て人気モノとなれば争奪戦になるのは必至だ。

メジャーでも現在の在籍のブルージェイズをはじめ人気モノのムネリンを獲得したい球団は複数あるようで、MLBの移籍情報を扱うサイトMLB RUMORSも「日本復帰の噂がたえないカワサキだがメジャーでの契約で間違いない」と断言している。

日米を跨いだカワサキ争奪戦の勝者は?間もなく明らかになる。

【動画】http://youtu.be/A-F8oKUKbZw

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