2023年7月28日(金)〜30日(日)にかけて開催された<FUJI ROCK FESTIVAL’23(フジロック)>。数多の感動を呼び大盛況に終わった3日間の中で、オーディエンスでごった返したDAY 1深夜のRED MARQUEEは異様な雰囲気に包まれていた。ステージに立っていたのはオーバーモノ(Overmono)、現行のレイヴシーンをリードするウェールズ出身の兄弟ユニットだ。
英国のダンス・ミュージックを刷新する重要アクトと目され、今年5月に満を持して〈XL Recordings〉よりデビュー・アルバム『Good Lies』をリリース、最良のタイミングでのフジロック出演となった。上品さも感じられる洗練されたトラックと、時折牙をむく獰猛なベース音により、75分の持ち時間は一瞬で過ぎ去る。バンガーチューンを惜しげもなく投入する姿は、2人がUKダンスの正史を現在進行形で紡いでいることを雄弁に語っていた。
今回Qeticでは出番前のトラス(トム)/テセラ(エド)のラッセル兄弟にインタビューを敢行。世界中を飛び回るオーバーモノの2人に、そのセットやプレイへのこだわりなどを聞いた。
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INTERVIEW@FUJI ROCK FESTIVAL ’23 Overmono
──お忙しい中お時間をいただきありがとうございます。苗場までは車で来たとのことでしたが、何か音楽は聴かれてましたか?
エド そうだね。Yellow Magic Orchestraの細野晴臣が作った曲を聴いてたよ。最高にクールな曲だったな。タイトルは“Trembling #2”だね(1985年『THE ENDLESS TALKING/エンドレス・トーキング』収録)。
──今回はフェス関係の話をしていきたいと思います。フジロックの前にプレイしたのはいつですか?
トム ベルギーの<Dour Festival>でライブセットを披露したよ。
エド 素晴らしかったね。
トム 5000人くらいの規模だったんだけど、アーティスト間の転換のタイミングが難しくてね。お客さんはすごい盛り上がってるんだけど、自分たちの番になったらバーっといなくなって「大丈夫かな?」と心配になったね。でも、やり始めたら人も来て安心したよ。
──フェスならではの出来事ですね。DJとライブはどういう住み分けをしているんですか?
エド DJでは友達の曲や新しい曲を試しにかけてみたり、リラックスしながらプレイできる。
トム ライブの方はもっとフォーカスできるからやりがいがあるね。オーディエンスとはまた異なるつながりになると思う。
──ステージを重ねていくごとにどんどんセットも進化していくと思います。いまどういうセットに魅力を感じてますか?
エド 大きなスクリーンが使えるのは嬉しいよね。自分たちは映像にもこだわってるし、映像担当にとってもこの上ないと思うよ。
トム フェスのエネルギーもバイブスも勿論いいけど、自分たちのヘッドライナー・ショーだと僕らのために見に来てくれてるお客さんがいて、やりたいプロダクションを作り込めるから気合いが入るね。
エド 今回のフジロックに関しては場所が凄いよね、日本の山奥に来たことなんてないし、すごく感動してる。
──コロナ中にある人は家で、車で、レイブなどでオーバーモノの音楽を聴いていて、今回は本当に待望の来日となりました。今回は初めてのフジロック出演でライブセットを披露されますよね。
エド フジロックはとても楽しみにしていて、ブッキングが決まった時は凄く興奮したよ。
トム 今回はみんなが知ってる曲もかけるし、新曲なんかもかけたいね。
──今はどういう音楽を新曲に取り入れたりとかしてるんですか?
トム 普段から色々な音楽を聴いていて、それを自分たちのフィルターやレンズを通して表現してるんだ。それがUKのダンスミュージックに近い形でアウトプットされている。でも実際は結構、USラップとか自分たちが作るようなもの以外をよく聴いたりするかな。
──例えば今日はトラヴィス・スコット(Travis Scott)の新しいアルバム『UTOPIA』が出ました。彼の凄さってどういうところだと思いますか?
エド 彼の音楽には一つの曲に多くのアイデアが詰め込まれていて、だけどそれが無理なく入ってる。聴いているとアイデアが溢れているのを感じられて刺激的だよ。
──自分たちの作品にラップを乗せたいと思ったりしますか?
エド そうだね!
トム 昨日リリースした新曲には、ちょうどKwengfaceというMCのラップが乗ってるんだ。
エド これからもっとやっていきたいね。
Freedom 2
Kwengface - Freedom | A COLORS SHOW
──そうだったんですね! 最近聴いた音楽でDJでプレイしたい音楽はありますか?
エド DJはどちらかというと、友達の曲を意識的にプレイしてるんだ。僕たちやジョイ・オービソン(Joy Orbison)らで5〜6組のクルーのような感じだね。それと大量の未発表曲があるから、それをプレイする。
トム DJ用の完全にエクスクルーシヴな音源だね。
──そのクルーというのはどう出来ていったのでしょう?
エド もちろん音楽の趣味が近かったり共通の好きなものがあったりもするけど、みんな昔からの知り合いだよ。
トム 昔からのパブ仲間だね(笑)。
──今日はビールを飲みながらライブが観れることを楽しみにしてます。最後に、この記事が掲載されるのはライブ後になるのですが、ライブを観たお客さんにメッセージをお願いします。
エド 僕たちのことをサポートをしてくれてありがとう。2018年以来の日本で、昨日はPOPUPも開いてもらったり、とても愛を感じた。
トム ここでプレイできるのは特別なことだよ。またここに帰ってきたいな。
Text by 風間一慶 Interview by 船津晃一朗 Photo by 清水創太郎
INFORMATION
Good Lies
2023.05.12(金) Overmono 〈XL Recordings / Beat Records〉 国内盤CD XL1300CDJP ¥2,200(+税) 解説+歌詞対訳冊子/ボーナストラック追加収録 限定輸入盤LP(限定クリスタル・クリア) OLE1896LPE 輸入盤LP(通常ブラック) TOLE1896LP TRACKLISTING 01. Feelings Plain 02. Arla Fearn 03. Good Lies 04. Walk Thru Water 05. Cold Blooded 06. Skulled 07. Sugarrushhh 08. Calon 09. Is U 10. Vermonly 11. So U Kno 12. Calling Out 13. Dampha *Bonus Track For Japan
詳細はこちら2023.07.28(金), 29(土), 30(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場
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