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 アメリカでは、7月29日から8月12日にかけての2週間で、女性が身を守るため、少なくとも13件のケースで、銃を使用していたことがわかったという。ただしこれは氷山の一角にすぎないそうだ。

 特に元交際相手や夫など、近い関係の者に襲われ、撃退する事例が多く、新型コロナの流行が始まってから、女性が銃を購入するケースが増えているという。

【画像】 女性が身を守るために銃を使用するケースが急増

 アリゾナ州からペンシルベニア州までの地元ニュースによると、7月29日から8月12日までの間に、女性が襲撃者、特に元恋人や夫など、関係性の近い者から身を守るために、銃を使用するケースが13件あったという。

 その一例がこちらだ。

1.テキサス州で7月30日、恋人に銃で脅された女性が、ハンドバッグから銃を取り出し、男性の顔を撃った。
2.テキサス州で8月8日、女性が車のコンソールから拳銃を取り出し、元恋人に向けて発砲した。元恋人が、無理やり電気バリカンで女性の頭を剃ろうとしたことで、女性は銃を向けたとされる
3.ミズーリ州で8月10日に発生した事件では、家庭内暴力で8年間服役していた男が、酒に酔って妻を殺すと脅し、銃を取りに行った。しかし妻が先に銃を手に取り男は撃たれて死んだ。妻は死ななかった。
4.ペンシルベニア州ポッツタウンの女性は、8月11日に元夫に暴行を加えられた後、銃で男を撃って怪我を負わせた。 肩を撃たれた男は、虐待していたこの女性と距離を置くという保護命令に違反したようだ。

過去に男に発行された逮捕状が有効だったことから、男は暴行容疑で逮捕された。

ポッツタウン・マーキュリー紙の報道によると、男は当局に対し、元妻が銃を撃つ前に暴行を加えていたことを認めた。
5.ミシシッピ州ジャクソンに住む女性は、8月11日に、自宅の外で夫と息子の乗った車を強奪しようとした覆面容疑者のグループを発見し、合法の銃を手に取った。

彼女は発砲し、容疑者のうち2人を逃走させたと伝えられている。この事件では17歳の容疑者が銃撃され死亡した。
6.インディアナ州では、娘の元ボーイフレンドが車で自宅の前庭に乗り込み、夫(娘の父親)に銃を突きつけているのを見た娘の母親が、元ボーイフレンドを射殺した。

当局によると、娘の元ボーイフレンドは、病院に搬送された後に死亡が確認された。
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護身のための発砲は報道されないことが多い

 およそ2週間で発生した13件の事件は、身を守るために銃器を使用した可能性のある女性の数の、ほんの一例に過ぎないないという。

 潜在的な犯罪者を阻止するため、護身のために銃を使用した場合、正当防衛として警察には通報されないこともあるそうだ。

 また護身による発砲事件は、大手報道機関によって報道されないことが多く、こうした事件は、実際にはアメリカでは各州の頻繁に起きており、公表されているケースは、氷山の一角に過ぎないという。

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アメリカで増える女性の銃所持

 2020年には推定2300万丁の銃が売られ、2100万件以上の背景調査が行われたという。

 2020年3月の新型コロナ流行の始まりで特に急増し、ミネアポリス警察の手によるジョージ・フロイドさんの死を受けて、抗議活動と暴動が全米に広がり、同年6月に銃の売り上げは再び急増した。

 男女別に見ても、女性の間で銃の所持が増加しており、2019年から2021年の間に新たに銃を購入した女性は、その半数を占めていたそうだ。

 保守系シンクタンクであるヘリテージ財団の上級法務研究員エイミー・スウェアラーさんは、X(旧Twitter)に投稿しこうポストした。

ここ2週間ほどで、どれだけ多くの女性が、銃器を使って自分自身や他の人を守ったことでしょう。これは護身用に武器を保持し携帯する権利がいかに重要であるかを示す事件です。

References:13 women use firearms in self-defense against exes, criminals over 2-week period across US / written by Scarlet / edited by parumo

 
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銃社会アメリカで、身を守るために女性が銃を使用する事例が増加