俳優の横浜流星が8月25日、都内で行われた映画「春に散る」初日舞台あいさつに共演の佐藤浩市、橋本環奈、山口智子、哀川翔、小澤征悦、瀬々敬久監督と共に出席。作品が公開できる喜びや、作品に込めた思いを熱く語った。
本作は、沢木耕太郎の同名小説の映画化。主人公は、不公平な判定で負けアメリカへわたって40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤)と、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾(横浜)。偶然飲み屋で出会った2人だが、仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えてほしいと懇願。やがて2人は世界チャンピオンを共に目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく。
■横浜流星、「みなさんを熱狂させられたらいいな」
横浜は本作に関して「ボクシングの試合というものって、格闘技を知らない方はただの殴り合いに見えると思うんですよ」と前置きをしながら「ただ、おもしろいのは、その中で緻密に計算された技術や駆け引きが行われていて、シンプルなんですけど本当に奥深くて。リングに立つとその人の人生が出るんです」と説明。続けて「翔吾に関して言えば、今この瞬間を大事に生きられたら、悔いなく生きられたらと思っていたし、翔吾には仲間がいるので、周りの仲間の思いを拳に乗せてひとつひとつ大事に闘志に火を燃やしてリングに立っていた。彼らのファイトを見て心からみなさんを熱狂させられたらいいなと思っています」と熱い思いを語った。
イベントでは本作にちなみ「胸が熱くなる瞬間」についてトークが繰り広げられた。横浜は「映画」、佐藤は「初日」と回答。ひとりずつ発表していく場面で横浜は「映画。胸を熱くするのもそうだし、心を豊かにするものは他ないかなって。その中でも『春に散る』は自分も胸が熱くなりましたし、胸を熱くさせられる自信があります」とアピールした。
佐藤は「もうこの締めでいいだろ」と横浜の回答を絶賛。自身の「初日」という答えについて「初日を迎えるまで、我々はやっぱり不安なんですよ。この数年間、コロナみたいなときもあったし、いろいろなことがあるかもしれない。それはわからない。無事に初日を迎えられたということは我々にとってうれしいこと」と気持ちを口にした。これには横浜も「公開ができる、みなさんに見てもらえることは当たり前じゃないので。まず無事に初日を迎えられることがどんなに幸せかというのは日々感じています」とうなずいた。
最後に横浜は「まだこんな若造でそんなに多くは語れないですけど、人生は選択だったり戦いの連続だと思っている」と告白。続けて「みなさんは日々何かと戦っていると思っていて、そんな方々の背中を押すことができればいいなと思うし、今を大切に生きるということの素晴らしさというものが少しでも伝われば僕らは幸せです」と言葉に思いを込めた。
◆取材・文＝山田果奈映
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