劇作家ティナ・サッターの映画監督デビュー作『REALITY(原題)』が、邦題『リアリティ』として、11月18日より全国公開されることが決定。併せてポスタービジュアルと特報映像が解禁された。

【動画】アメリカ国家機密リーク事件で世界中を騒然とさせた女性のFBI尋問音声記録を再現! 映画『リアリティ』特報

 トランプ政権を揺るがす疑惑をリークした女性リアリティ・ウィナー。彼女はなぜ、ある日突然“国家の反逆者”となったのか。本年度ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品された本作は、アメリカ国家機密リーク事件で世界中を騒然とさせた女性のFBI尋問音声記録を、何気ない会話や息遣い、咳払いひとつに至るまで、ほぼリアルタイムで完全再現した心理スリラーだ。

 ある日、リアリティがいつもと同じように買い物へ行き、帰宅したところを突然訪ねて来た2人のFBI捜査官。穏やかな口調でごくありふれた質問を繰り返す彼らとの日常的な会話は、リアリティ自身も気づかぬうちに、徐々に不穏な空気を帯びはじめる…。

 平凡な25歳の若者だったはずの彼女を、“政府の敵”へと変貌させたものとは? その真相が、異常なまでの緊張感とかつて見たことのない圧巻の“リアリティ”をもって解き明かされる。

 監督のサッターは、事件の尋問記録について「すでにスリラーが完成されていた。リアリティ・ウィナーとは何者なのかということに完全に夢中になった」と、その強烈でドラマティックな魅力を語る。演劇で培われたシャープで無駄のない演出手腕は、映画初監督となる本作でさらにパワーアップ。FBIの尋問記録を、息つく暇もないスリリングな心理戦へと昇華させた。

 主演は、人気ドラマ『ユーフォリアEUPHORIA』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で大ブレイクを果たし、今最も注目される若手俳優シドニー・スウィーニー。リアリティが直面する状況が刻一刻と緊迫感を増していく様子を巧みに表現した繊細かつパワフルな演技は、彼女の本格俳優路線を決定づけたとして世界中で高評価を獲得している。

 解禁となったポスターは、リアリティの戸惑いの表情に黒塗りされたFBI機密文書が浮かび上がり、背後にたたずむ黒い人影がリアリティを狙っているかのような不吉な予感を漂わせる。彼女の“人生最悪の日”の一場面を暗示するようなビジュアルに仕上がっている。

 そして「正義感は、悪なのか」という簡潔ながら力強いキャッチコピーは、毎日浴びるように情報に触れ一瞬で善悪の価値観が揺らぐこのサイバー社会で、誰もがふとしたことから突然“悪”と認定されてしまうかもしれない、日常に潜む恐怖をじわりと感じさせる。

 併せて特報映像も解禁された。全米に激震が走ったリーク発覚当時の実際のニュース音声が差し込まれ、いかにこの事件が国家的な一大事であったのかがうかがえる。リアリティがFBI捜査官から落ち着いた声でゆっくりと、しかし威圧感を覚えずにはいられない異様な雰囲気のなか尋問を受け、窮地に立たされていく様子からは、一触即発の緊張感が漂う。本編ではどんな心理的攻防戦が繰り広げられるのか、期待が高まる映像となっている。

 リアリティ・ウィナーの人生は、アカデミー賞受賞作『コーダ あいのうた』のエミリアジョーンズ主演で『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の脚本家スザンナフォーゲルが監督を務める『Winner(原題)』として伝記映画化されることも決定している。なぜ、彼女の人生がこれほどまでにアメリカで注目を集めるのか? スマホひとつであらゆる情報を手に入れ、発信することのできる超情報社会・監視社会の現代を生きる若者たちにとって、リアリティはSNS世代のニュー・アイコンと言えるのかもしれない。

 映画『リアリティ』は、11月18日より全国公開。

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