もはや日本大学と保護者が「大麻部員」を匿っていたと思われても仕方ないだろう。

 アメリカンフットボール部の寮で覚醒剤と大麻を所持したとして、3年生部員1人が逮捕された事件で、別の4人の部員も大麻を所持していた容疑が浮上した。

 警視庁8月22日、大麻取締法違反容疑などで、東京都中野区の寮を再び家宅捜索。複数の部員に任意聴取を続けているものとみられる。社会部記者が言う。

「今さら寮を捜索したところで『証拠隠滅』は終わっています。それでも警視庁が再捜索を強行したのは、逮捕された3年生の勾留期限が今週いっぱいで終わるため。部員1人の逮捕で幕引きなどさせない、という警察の日大への怒りと執念を感じます」

 8月5日に部員が逮捕され、それからわずか5日で無期限活動停止処分を解除した際、日大は次のように説明していた。

「この度の問題は部員1名による薬物単純所持という個人犯罪であり、個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになり、学生の成長を第一に願う教育機関として最善の措置ではないと判断したためです」

 仮に他の部員4人も逮捕されることになれば、林真理子理事長が会見で話していたことも、大学の公式見解も、全てがウソになる。部員1人に罪を押し付けて、残りの犯罪者を匿うのが林理事長が言う「教育的配慮」なのだろうか。再びの家宅捜索後、林理事長はダンマリを続けている。

 気の毒なのは、日本大学に通う学生だ。日本私立学校振興・共済事業団は「学校経営に関わる刑事事件で役員が逮捕・起訴されたこと」及び「学校法人としてガバナンスが十分に機能しておらず、管理運営に適正を欠いていたこと」という理由で2021年度、2021年度の私立大学等経常費補助金(いわゆる私学助成金)の不交付を決定している。7万人の大学生と、高校野球にも多数出場した付属校(高中小幼含む)4万人の生徒児童を擁する「日本大学株式会社」に支給されてきた私学助成金は、2020年の実績で90億円。

 林理事長のセレブ仲間たちがいくらメディアに登場して「頑張っている」とかばったところで「お飾り理事長」「ブツ、パケ副学長」のガバナンス能力を評価するのは同事業団。今のままでは、今年度の補助金交付も怪しい。

 さらに部員がまた逮捕となれば、今年の大学受験、高校中学受験での志願者減少は決定的だ。受験料、入学料、授業料のトリブル減収に直結する。

「夏休みの中学受験模試や志望校相談で、日大付属校を志望校に書く児童などいません。例年の合格ラインは偏差値41~45ですが、今年は『大台』から陥落するのでは」(中学受験を控えた保護者)

 日大は授業料には転嫁させないと説明しているが、それなら減収分を何で補うつもりなのか。「お飾り理事長」が居座る限り、日本大学株式会社は毎年90億円の「損失」と受験料の「減収」を出し続けることになりそうだ。

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