米坂線は復旧のめど立たずです。

「新潟山形南部連絡道路」最大の空白区間が計画段階評価に

国土交通省 東北地方整備局は2023年8月24日(木)、高規格道路「新潟山形南部連絡道路」のうち「小国~飯豊」区間について、事業化へ向けた1回目の計画段階評価を行いました。

「新潟山形南部連絡道路」は、新潟県村上市山形県高畠町を東西に結ぶ約80kmの国道113号バイパスです。JR米坂線(米沢~坂町)とほぼ並行します。

国道113号は新潟と山形、ひいては仙台を結ぶ数少ないルートのひとつで、「大型車誘導区間」に指定されており、物流上も重要な位置づけです。ただ、積雪の影響を受けるうえに代替路もないことから、災害に強い道路を望む声があります。

現在は新潟側の「荒川道路」3.6km、山形側の「赤湯バイパス」7.2kmが開通済み。赤湯バイパスに続く「梨郷道路」7.2kmも2023年度開通予定ですが、それぞれ日本海東北道東北中央道に接続する末端部分のみという状況です。

そのほかは、新潟県側の「鷹ノ巣道路」5.0km、県境部の「小国道路」(関川~小国)12.7kmが事業中ですが、80kmのうち約54kmは事業化もされていません。そのうち最大の空白区間、山形県小国町と飯豊町のあいだが今回の計画段階評価の対象で、実現に向け一歩を進めたといえそうです。

完成すれば、東北中央道と合わせて太平洋側と日本海側を連絡する“横軸”の役割も担うことになります。南は磐越道、北は山形道が高規格道路としてこの役割を担っていますが、両路線は100km近く離れています。その中間の“横軸”が新潟山形南部連絡道路となります。

ちなみに、並行するJR米坂線は、2022年夏の豪雨により大きな被害を受け今泉~坂町間で運休が続いており、復旧のメドは立っていません。

手前の谷あいが山形県小国町。右奥、新潟県村上市の日本海へ向けて「新潟山形南部連絡道路」の構想がある(画像:Google earth)。