不動産投資で着実に収益を上げるには、割安で収益性の高い「儲かる物件」を探し出すことが大切です。その情報はどうすれば手に入れられるのでしょうか。YouTubeチャンネル「不動産Gメン滝島」で「不動産の知識がない人」が損しないための情報を発信している滝島一統氏の著書『誰でも儲かる、わけがない 初めての不動産投資必勝ルール 罠を見抜いてお金を増やす』(KADOKAWA)から、一部抜粋してご紹介します。

「地元の不動産会社」に物件依頼しておく

実は、不動産を購入しようとする側の条件に合い、収益性が高い物件は少ないです。なぜかというと、「儲かる物件」を手放す人は多くないからです。

オーナーが死亡したことで相続が発生した、別の事業が失敗して資金が必要など、何かしら事情がないと儲かる物件が売りに出されることは多くないのです。

インターネットの不動産投資専門サイトで収益物件を探す人もいますが、一定の注意が必要です。

あるサイトには、そこにしか掲載されていない「未公開物件」の情報がありますが、これは不動産会社に、「このサイトを通じて売却すれば高く売れます」といって営業し、集めた物件のようです。

「未公開物件」といわれると、貴重な情報に見えますが、実は高い価格が設定されている可能性が高いのです。

では、投資価値のある物件の情報はどうすれば入ってくるのか。お勧めの1つは、地元で長く営業している不動産会社に声をかけておくことです。

高齢の方が営んでいるような古い不動産会社は、外から見ると、「営業しているのかな?」と感じるようなこともあります。

しかし仕事の量を抑えていたとしても、何十年と営業を続けているからには、経験が蓄積されていますし、それなりの地場の人脈も持っているものです。

オーナーが高齢になって収益物件を維持するのが負担になった、相続する人がいない、相続税が支払えない、などで、地元のご高齢の方から、「私、これ売ろうと思うのよ」といった話が、年に数回は入ってきます。

そうした物件が、地元の不動産会社を通じて、相場より安く売り出されるなどの例もあります。こぢんまりした個人商店のような不動産会社に転がり込んでくる物件は、いい物件であることが少なくないのです。

その、「年に何回か入ってくるいい案件」を紹介してもらえるかどうかが重要で、そのためにも、日頃から不動産会社と仲良くなっておくことが大切です。

まずは地元の不動産会社を訪ねてみましょう。

挨拶は、「不動産投資をしたいと思っており、地元の物件を探しています。もしいい物件があったらご紹介いただきたいと思い、ご挨拶がてら伺いました」でOKです。「お口に合えば……」と言って、ちょっとしたお菓子を持っていきます。

そのあとも、定期的に挨拶に行きましょう。

最初は煙たがれるかも知れませんが、人と違うことをすると印象に残り、覚えてもらえますし、出かけた先のお土産など持っていけば、ささやかなものでも悪い気はしないはずです。

全国チェーン店よりは、地元の人が営んでいるような不動産会社の方が、いい情報がくると思います。

賃貸専門不動産会社にも情報は集まる

その不動産屋さんがどういうことをやっている不動産屋さんか、賃貸の仲介をしているようだけれど売買も扱っているか、投資案件を扱っているか分からないという場合は聞いたらいいですし、店先に貼ってある図面をみるのもいい方法です。

ただし、賃貸しかやってない会社に面白い売買物件が来ないかと言えば、そんなことはありません。

たとえば、その不動産会社が管理している物件があって、そのオーナーが死亡した場合などは、親族から売却の相談が持ち込まれることもあるのです。

賃貸だから売買情報がない、売買だから賃貸情報がないということはなく、不動産会社である限り、いい情報が転がり込んでくることはあるのです。

こういってはなんですが、いい物件に巡り合うのは、宝くじに当たるようなものです。誰もが見ているようなインターネットの情報を見ていても、掘り出し物など、出てこない。

掘り出し物を買いたいのであれば、人がやらないことをやるべきです。

「レインズ」で優良物件が見つかるのは3ヵ月に1件

安くていい物件は基本、口コミで情報が入ってくることが多いですが、「レインズ」(REINS=Real Estate Information Network Systems)でもいい物件が見つかることがあります。

レインズとは、国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営する、物件情報をまとめたコンピューターネットワークシステムです。会員となっている不動産会社は、レインズに物件情報を登録し、買いたい人や借りたい人を探すことができます。

閲覧できるのは、不動産会社のみです。

筆者の会社にも、レインズ専任の担当者がおり、東京都の3日以内に登録された物件という条件で、中古一棟ものを検索しています。朝から夕方まで、毎日、おびただしい数の物件をチェックするのです。

何日にもわたって登録されている物件もありますし、東京都下・最寄駅から徒歩20分の物件など、さまざまな物件があります。

担当者が一定の条件を満たす物件をピックアップし、筆者がさらにチェックして、これはと思うものをお客様にご紹介します。

ちなみに1,500件の情報があるとすると、約半数はすでに見たことのある情報で、残りの新しい情報から、担当者のフィルターを通るのは20件程度。筆者がお客様に紹介できると思うのは、3ヵ月に1件程度です。

非常に少ない。ですからスピードも必要です。その日の朝にはじめて情報が出て、昼に気がつき、夕方にはもう売れている、ということもあります。

たとえば、ごくたまにですが、ご高齢の方が地元の小さな不動産会社に売却を依頼した物件が、信じられないような価格で登録されているなどのケースがあります。

実例では、港区南麻布に資産家のご婦人が1人で住んでいた豪邸が6億5,000万円で取引されていた例があります。相場では8億円以上の物件です。

すぐにお客様に紹介し、即決で買われましたが、2年後に事業でお金が必要になって売却されました。売却価格は8億円です。

多くはありませんが、そうした例もあるのです。

「売れ残り物件」は「ローン」とセットで売られることも

売れ残っている物件も少なくありません。

魅力がないから売れ残っているわけですが、そうした物件を料理して売る会社もあります。どう料理するかというと、融資を付けるのです。

とにかく不動産投資をしたいと思っているけれど自己資金がないという人にとって、ローンが借りられるのはとても魅力的に見えます。

どんな物件でも賃料収入が入ってくると信じている人には、またとないチャンスと思うでしょう。そうして売れ残っている物件(皆が選択肢から外している収益性のない物件)を買ってしまうのです。

そうした売り方をする業者も、融資を付ける銀行も、罪は重いと思います。

滝島 一統

株式会社光文堂インターナショナル

代表

(※写真はイメージです/PIXTA)