飲食店でお酒を飲んだ後、ステーキなどの肉料理を食べたくなった経験はありませんか。地域によっては、飲酒後に肉料理を食べる文化があるようで、そうした地域では、深夜営業を行うステーキ店などが存在します。

 飲酒後に肉料理を食べると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

動物性たんぱく質がアルコールの分解を促進

Q.お酒を飲んだ後、人によってはステーキ焼き肉などの肉料理を食べたくなることがありますが、なぜなのでしょうか。また、飲酒後に肉料理を食べると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

市原さん「お酒を飲んだ後に肉料理を食べたくなる原因については、個人の嗜好(しこう)や癖によるため、医学的に解説するのが難しいです。

飲酒後に肉を食べるメリットは、動物性たんぱく質にはアルコールの分解を促進する働きがあるため、二日酔いの予防に役立つことです。

一方、お酒を飲んだり、脂質の多い肉を食べたりすると、胃酸が食道に上がりやすくなります。そのため、飲酒後に肉料理を食べると、胃酸がより上がりやすい状態となり、逆流性食道炎を引き起こす可能性があるほか、すでに逆流性食道炎にかかっている人は、症状が悪化する可能性もあります。

このほか、お酒も肉料理も基本的にカロリーが高いため、これらの飲食物をほぼ同時に摂取すると、結果的にカロリーの過剰摂取となり、体重増加の恐れがあります」

Q.飲酒後にラーメンなどの麺料理を食べる人がいます。飲酒後に麺料理を食べる場合と肉料理を食べる場合とでは、どちらの方が体への負担が少ないのでしょうか。

市原さん「どちらも脂質が多く含まれる傾向にあり、体への負担が大きいので、注意が必要です。また、飲酒後の食事は深夜であることが多いほか、麺料理肉料理はいずれもカロリーが高いため、飲酒後にこれらの料理を食べると、体重増加の恐れがあります」

Q.では、飲酒後にどうしても肉料理を食べたくなった場合、どうすればよいのでしょうか。お勧めの食べ物はありますか。

市原さん「できるだけ脂質の少ない赤身肉を選びましょう。調理法としては、『ゆでる』『焼く』の順にお勧めで、例えば、バンバンジーやローストビーフなどの料理を食べるのがよいでしょう」

オトナンサー編集部

飲酒後に肉料理を食べるメリット、デメリットは?