投手に比べて打者に有望株が目立った大会だった(C)ACPHOTO

 慶応の107年ぶり優勝で幕を閉じた今夏の甲子園大会。12球団のスカウトも1、2回戦の「一回り」には連日、ネット裏に詰めかけ、逸材に熱視線を注いでいました。

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 投手に比べて打者に有望株が目立った大会。中でも注目を集めたのは「BIG3」こと、いずれも左打ちの一塁手。高校史上最多の通算140発を誇る花巻東の強打者・佐々木麟太郎、同じく62発の「広陵のボンズ」こと真鍋慧、同31発の九州国際大付・佐倉侠史朗の3人です。

 しかし、夏の甲子園では3人とも「不発」に終わり、評価が急上昇というわけにはいきませんでした。

 セ・リーグのベテランスカウトは言います。

 「一塁手は余程の打棒がない限り、ドラフト候補に挙げにくいんです。プロの世界では主に外国人打者が務めるポジション。だから我々としては『三塁や外野もこなせるかな?』というのが一つのポイントになる。麟太郎選手が非凡な打力を兼ね備えているのは間違いないが、決して即戦力ではない。今年は大学生投手が豊富ですから、ほとんどの球団が1位を即戦力投手で行くんじゃないでしょうか。そうだなあ。高校生のスターが好きな日本ハムあたりだったら『麟太郎1位』はあるかもしれないね(笑)」

 一方で評価を上げたのは2人のショートストップ。左打ちなら上田西の横山聖哉選手、右打ちなら東海大熊本星翔の百崎蒼生選手は夏の甲子園で優れたパフォーマンスを発揮しました。

 「二人とも走攻守が高いレベルで三拍子そろっている。ファームで2、3年鍛えたら面白い位置に行くかもしれない。パンチ力も備えていて、長打も期待できるのが素晴らしい。ドラフトでは早い順位で消えると思います」(前述のスカウト)

 名より実。決してビッグネームではなく、派手さはないものの、二人の遊撃手をどの球団が指名するのか。ドラフトの見所の一つと言えるかもしれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

夏の甲子園、スカウト的には花巻東・佐々木麟太郎ら「BIG3」より「2人の遊撃手」!? 注目打者はズバリこの選手