歌舞伎俳優の十三代目市川團十郎と八代目市川新之助が2023年8月27日(日)、『九月博多座大歌舞伎』(9月1日(金)~17日(日))の公演に先立ち福岡・博多の川端通商店街(福岡市博多区上川端町)で“襲名披露お練り”を行った。降りしきる雨の中、襲名を祝う約7000人のファンが沿道に詰めかけた、当日のレポートが到着した。


川端通商店街には、團十郎・新之助の親子を一目見ようと開始前から多くの観衆が集まった。團十郎と新之助が二人揃って人力車に乗り込み、上川端商店街 櫛田神社側入口から川端中央商店街までの全長約400mの商店街を30分かけて進むと、沿道からは「成田屋!」「十三代目!」「團十郎!」「八代目!」「新之助!」と大きな声援が飛び交い、襲名披露と初舞台を祝う「おめでとう!」の声に二人は笑顔で手を振って応えた。

途中の川端ぜんざい広場では、今回の公演に合わせて特別に作られた、歌舞伎十八番が標題の「飾り山笠」の前で記念撮影を行い、團十郎と新之助がモデルとなった人形が飾られた山笠を見上げると、新之助は感嘆の声をあげた。

ゴール地点となった今回公演が行われる博多座前では、集まった大勢のファンを前に二人から挨拶が行われた。


團十郎が「昼の部は歌舞伎十八番の『景清』、夜の部は口上で“にらみ”もする予定でございます。そして、歌舞伎十八番の『暫』はこの福岡で上演されることがなかったそうで、今回初上陸、初上演でございます。福岡の方々の元気とともにさらに福岡が元気になりますように、私も精一杯勤めます」と意気込みを語ると、今回のお練りで初めて福岡の地を訪れたという新之助は「本日は大雨の中、来てくださって本当にありがとございます。僕は『外郎売』の曽我五郎を演じさせていただきます。ぜひ観に来てください。博多座で待っています」と地元のファンを前にしっかりと挨拶をした。

海老蔵時代から何度も九州の歌舞伎ファンを魅了してきた團十郎。この度、博多での待望の襲名披露公演となり、博多座初出演・初舞台として出演する新之助とともに、團十郎ゆかりの地でもあるここ博多で大いに躍動する。

市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台『九月博多座大歌舞伎』は、9月1日(金)に初日を迎える。公演は、17日(日)まで。