オリヴァーアンソニーミュージックの「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」が2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 先週、米ビルボードのいずれのチャートにもランクインしたことがないアーティストとして、初登場1位獲得という史上初の記録を打ち立てたオリヴァーアンソニーミュージックの「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」。2週目の今週(8月18日8月24日)は、セールスが20%減少したものの、117,000と高水準を維持していて、ストリーミングは31%増加の2,290万回、エアプレイも310%増加の230万回にそれぞれ数字を伸ばした。

 なお、先週の週間ストリーミングは1,750万回で、初週から540万回増加の2,290万回に上昇したわけだが、1位に初登場した曲が2週目でストリーミングが上昇するケースは珍しく、過去10年間で1位に初登場した34曲中、2週目でストリーミングが上昇したのは、2021年5月29日6月5日付でオリヴィアロドリゴの「グッド・フォー・ユー」(4,320万回から6,270万回)が達成して以来約2年ぶり、2曲目の記録となる。

 各チャートでは、デジタル・ソング・セールス・チャートで2週目の首位をキープ。ストリーミング・ソング・チャートでは4位から1位に上昇して、自身初のNo.1タイトルを獲得した。

 ジャンル別では、今週のカントリー・ソング・チャートでも2週目の首位を獲得。メインのラジオ局ではまだプロモーションされていないが、カントリーエアプレイ・チャートでは45位に初登場していて、今週記録した230万回のうち200万回(90%)をカントリー局でのエアプレイが占めている。

 「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」は、インフレや税金、教育や福祉問題などアメリカにおける現代の問題点をとりあげたテーマが、同じフラストレーションを感じる多くのリスナーに支持されSNSを中心に話題を集めた。その影響は、8月23日に開催された米大統領選の共和党予備選候補による初回討論会にも及んでいる。

 「ミュージック(Music)」が含まれるアーティストとしては、C+C ミュージック・ファクトリーの「エヴリバディ・ダンス・ナウ!」(1991年2月9日~16日付)が達成して以来約32年ぶり、史上2組目(2曲目)の首位獲得で、タイトルに「ミュージック(Music)」が含まれる楽曲としては、ワイルド・チェリーの「プレイ・ザット・ファンキー・ミュージック」(1976年9月18日10月2日付)、マドンナの「ミュージック」(2000年9月16日10月7日付)に続く3曲目のNo.1タイトルに輝いた。

 また、タイトルにアメリカの都市が含まれている曲としては、以下に続く8曲目の首位獲得で、ヤン・ハマーの「マイアミ・ヴァイスのテーマ」(1985年11月9日付)以来、約38年ぶりの快挙を達成している。

オリヴァーアンソニーミュージック「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」(2023年)
ヤン・ハマー「マイアミ・ヴァイスのテーマ」(1985年
エルトン・ジョンフィラルフィア・フリーダム」(1975年
ペイパー・レイス「ザ・ナイト・シカゴ・ダイド」(1974年
MFSB「ソウルトレインのテーマ」(1974年
マーティ・ロビンス「エル・パソ」(1960年
ジョニー・ホートン「ニューオリンズの戦い」(1959年
ウィルバート・ハリスン「カンサス・シティ」(1959年

 なお、クラークスビル (テネシー州)がタイトルに含まれるモンキーズの「恋の終列車」(1966年)も首位を獲得しているが、ソングライターのボビー・ハートが「架空の街について書いた曲」としているため、上記のリストからは除かれている。また、バウアーの「ハーレムシェイク」(2013年)も、ハーレムニューヨークニューヨーク市の一地区であるため、カウントされていない。

 「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」以前にタイトルに都市の名前が含まれた曲が1位を獲得したのは、キューバの首都であるハバナをタイトルにしたカミラ・カベロの「ハバナ feat. ヤング・サグ」(2018年1月27日付)で、約5年半ぶりの首位獲得曲となる。

 オリヴァーアンソニーミュージックに続き、今週もTOP3は2位がルーク・コムズの「ファスト・カー」(7週連続)、3位もモーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」がランクインして、TOP3をカントリー勢が独占した。TOP3をカントリー・ソングが独占するのは、8月5日付、8月26日付に続く史上3週目のチャートアクションとなる。なお、通算16週の首位を獲得した「ラスト・ナイト」は、今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートで今週13週目の首位を獲得している。

 テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」を4位にはさみ、今週5位にはドージャ・キャットの新曲「ペイント・ザ・タウン・レッド」がランクインして、以下に続く7曲目のTOP10入りを果たした。

1位「セイ・ソー feat. ニッキー・ミナージュ」(2020年)
3位「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年)
8位「ニード・トゥ・ノウ」(2021年)
7位「ウーマン」(2022年)
3位 ポスト・マローン「アイ・ライク・ユー(ア・ハッピー・ソング)with ドージャ・キャット」(2022年)
10位「ベガス」(2022年)
5位「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年)

 「ペイント・ザ・タウン・レッド」は、2021年リリースの『プラネット・ハー』に続く新作からのリード・シングルで、8月4日のリリース後、初登場の8月19日付で15位、8月26日付で15位、そして今週登場3週目でTOP10入りした。

 TikTokのバイラル・ヒット等により話題をあつめ、今週の集計期間にはエアプレイが37%増加の2,260万回、ストリーミングが49%増加の2,110万回、セールスは81%増加の5,000にそれぞれ大きく上昇して、今週最も伸びた曲に贈られるStreaming Gainer、Sales Gainerの2冠を達成している。

 ジャンル別では、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで5位から1位、ラップ・ソング・チャートでも4位から1位にそれぞれ首位に到達し、前者では「セイ・ソー」に続く2曲目、後者では自身初のNo.1タイトルを獲得している。

 「ペイント・ザ・タウン・レッド」には、1964年に最高6位を記録した ディオンヌ・ワーウィックの「ウォーク・オン・バイ」がサンプリングされていて、同曲のソングライターであるハル・デヴィッドとバート・バカラックは、ディオンヌが同64年にリリースした「ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」(ルーサー・ヴァンドロスもカバー)をサンプリングしたトゥイスタの「スロージャムス feat. カニエ・ウェストジェイミー・フォックス」(2004年2月21日付)以来、約19年ぶりのTOP10入りを果たしている。

 今年の2月8日に死去したバート・バカラックは、1960年代、70年代80年代2000年代の4年代で自身が手掛けた7曲が首位を獲得していて、2012年に死去したハル・デヴィッドは、自身の名を冠した米ソングライターの殿堂式典【ハル・デヴィッド・スターライト・アワード】が開催される等、レジェンドとしての功績が称えられ、今も多くのアーティストに影響を与えている。

 レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」は先週の5位から6位に順位を下げたが、エアプレイ・チャートでは10週目の首位を獲得(8,350万回)、アフロビーツ・ソング・チャートでは今週首位獲得週を史上最長の52週目に更新した。

 以下、オリヴィアロドリゴの「ヴァンパイア」が6位から8位、デュア・リパの「ダンス・ザ・ナイト」が8位から9位、ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイスの「バービー・ワールド(with アクア)」も9位から10位にそれぞれランクダウンした。9位の「ダンス・ザ・ナイト」は、前週から16%増加の5,770万回を記録して、今週のAirplay Gainerを獲得している。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月1日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」オリヴァーアンソニーミュージック
2位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
3位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
4位「クルーエル・サマーテイラー・スウィフト
5位「ペイント・ザ・タウン・レッド」ドージャ・キャット
6位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
7位「FukUMean」ガンナ
8位「ヴァンパイアオリヴィアロドリ
9位「ダンス・ザ・ナイト」デュア・リパ
10位「バービー・ワールド」ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイス with アクア

【米ビルボード・ソング・チャート】オリヴァー・アンソニー・ミュージック2週連続首位、ドージャ・キャットTOP10入り