オンライン動画配信サービスHulu」にて、8月11日より全話一挙独占配信されたHuluプレミア「庭のある家」。第1話では、ジュラン(キム・テヒ)が自宅の庭から悪臭がすることに気づき、不信感を募らる。一方、夫の暴力と貧しさに苦しんでいたサンウン(イム・ジヨン)のもとには一本の電話が入るのだった――。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】神妙な面持ちで窓の外を眺めるキム・テヒ“ジュラン”

■「庭のある家」とは

本作は、実力派女優の共演と衝撃的な展開が話題を呼んだサスペンススリラー。韓国の同名ベストセラー小説が原作で、放送前には世界190カ国での展開が決まった韓国ドラマだ。物語では、マイホームの庭から漂ってきた“悪臭”をきっかけに正反対同士の2人が出会い、家庭に隠された真実が明かされていく――。

キャストには“韓国で最も美しい女優”と評されるキム・テヒが出演しており、完璧な家で絵に描いたような優雅な暮らしを送るジュラン役を演じる。一方、貧しさと家庭内暴力生きがいをなくしたサンウン役には、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で“最恐の悪女”を演じたイム・ジヨンが抜擢。実力派女優の2人がお互いに相乗効果を高め合っていく“かけ合い”に注目だ。

その他、病院の院長でジュランの夫でもあるジェホ役をキム・ソンオが、ジュランの息子・スンジェ役をチャ・ソンジェが、製薬会社の営業社員で家庭内暴力を振るうサンウンの夫・ユンボム役をチェ・ジェリムが担当する。

■ジュランだけが気になる“異臭”…

“姉が亡くなった”という過去の記憶から逃れるように、庭つきの広い一軒家に越してきたジュラン。夫のジェホは病院の院長であり、裕福で誰もが羨むような生活を送っていた。しかしジュランは過去のトラウマからか、抗うつ剤を飲み続け、ご近所付き合いも避けていた。

そんなある日、ジュランは家の庭から異臭が漂っていることに気づく。そこでジェホに「数日前からイヤな臭いがするの」「掘ってみようかと」と相談するのだが、ジェホは特に気にならない様子。そして息子のスンジェも、「しないよ、臭いなんて」と無表情で答えた。

その夜、ジェホは臭いの原因が“有機肥料”だとジュランに告げる。「調べてみたら有機肥料は臭うらしい」という言葉に一時納得したものの、その後引っ越しの挨拶に訪れた隣人のひと言によって状況は一変。隣人がインターホン越しに「何の臭い?」と言い放ったことで、庭の異臭が気のせいではないと確信し、ジュランの不安はさらに助長される。

後日、隣人の家を訪ねて、臭いの元は有機肥料であることを説明したジュラン。しかしその隣人からは「違うと思いますけど」「土の中で何か腐ってるんじゃない?」「私なら耐えられない」などと言われてしまい、ついにジュランは庭の異臭がする場所を掘り始める。

そして穴を掘り進める中で出てきたのは、腐敗した“人の手”だった――。

■夫のDVから逃げたい…サンウンのもとに届いた突然の報せ

同話ではジュランを主軸にしたストーリーに加え、本作のメイン人物であるサンウンのストーリーも描かれた。妊娠5カ月となる彼女は決して裕福とは言えない生活の中で、夫のユンボムから激しいDV(家庭内暴力)に悩まされていた。

そんなある日、サンウンはユンボムの運転で地方にある実家に向かうのだが、ユンボムが実際に向かったのはサンウンの実家ではなく、なぜかジュランの家であった。後部座席には大きな鞄を積んでおり、運転中にユンボムは「いくらになるかな?あのバッグに5万ウォン札を詰めたらさ」という言葉をサンウンに言い放つ――。

その夜、2人で向かったはずの実家に着いたのは、雨でずぶ濡れになったサンウン1人のみ。彼女は浮かない表情でシャワーを浴びた後、そのまま疲れきった様子で母親の横で眠りについた。そして翌朝、帰ろうとするサンウンの携帯に1本の電話が入る。その内容は、「ユンボムが死んだ」という報せであった。

■ジュランとサンウンの関連性を考察

正反対の生活を送る2人の女性がメインで描かれ、それぞれの物語が大きく動き出した第1話。ジュランの姉やユンボムの死因、そして庭に埋められていた“モノ”の正体など、様々な伏線が散りばめられているが、中でも特に気になるのは“今後ジュランとサンウンはどのようにつながるのか”という点だ。

ここで考えられるのは、ジュランの夫・ジェホと、サンウンの夫・ユンボムの関係性。同話ではユンボムがジェホに電話をかけ、意味深に「私は誤解をとくために、そして院長は頭を冷やすために夜釣りに行きません?」と誘うシーンがある。

そしてその後もユンボムが“バッグに大金を入れたらいくらになるのか”という発言をしていたことからも、ユンボムはジェホに関する何かしらの秘密を握っており、それをネタにジェホをゆすっていたと思われる。そのことがユンボムの“突然の死”にも関係し、それぞれの妻である2人が出会っていくのではないだろうか。

まだまだ謎は深まるばかりだが、物語が進むにつれ、少しずつ伏線が回収されていくのかもしれない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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