今夏にレアル・マドリードとの契約を解除し、フリーとなっている元ベルギー代表FWエデン・アザールが、現役引退を検討しているようだ。29日、スペイン紙『アス』が報じている。

 1991年1月7日生まれのアザールは現在32歳。ベルギー西部の都市ラ・ルヴィエールで産声をあげた稀代のドリブラーは、14歳で入団したリールでプロキャリアを始め、リーグ・アン年間最優秀若手選手賞とリーグ・アン年間最優秀選手賞をそれぞれ2度受賞する。2012年夏から7シーズン在籍したチェルシーではクラブ公式戦通算352試合に出場し110得点92アシストを記録。プレミアリーグヨーロッパリーグを含めて計6タイトルを獲得するとともに、2008年にデビューしたベルギー代表でも“エース”としての地位を築くなど輝かしいキャリアを送っていた。しかし、2019年夏に移籍金最大1億3000万ポンド(約266億円)でレアル・マドリードに加入すると、ここから暗雲に覆われる。在籍4シーズンで負傷離脱の回数は『10』を超え、公式戦通算76試合7得点12アシストと期待されていた活躍とは程遠い成績に。最終的に現行契約を1年残した今夏に、契約解除していた。

 そんなアザールは今現在、プロキャリアの岐路に立っているようだ。『アス』によると、ケガに泣かされ続けた4年間だったが、欧州を含む移籍市場では同選手の価値はいまだ高く、イングランドスペインフランススコットランド、アメリカ、そしてサウジアラビアから興味深いオファーを提示されたという。それでも、同選手は契約を締結することに納得しなかったと報じている。

 また『アス』は、デイヴィッド・ベッカム氏が共同オーナーを務めるインテル・マイアミから“強い入札”を受けたものの、「ノー」と回答したと指摘。プロキャリアの原点のリール復帰の憶測も流れているようだが、アザールの側近によれば、「本人に再挑戦する気力はない」とのことだ。

 今夏の移籍市場では6つ以上のオファーがあったとされるアザール。果たして、このままスパイクを脱ぐ決断を下すのだろうか。

アザールが現役引退を検討か [写真]=Getty Images