株式会社ダイヤモンド社(東京都渋谷区)は、経営学・アントレプレナーシップ研究において注目を集める「エフェクチュエーション」の日本初の入門書『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(吉田満梨 著、中村龍太 著)を2023年8月30日に発売いたします。

吉田満梨、中村龍太:著 『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』 ダイヤモンド社刊

■世界的経営学者が発見した、優れた起業家に共通する「思考法」

 エフェクチュエーションとは、経営学者のサラス・サラスバシー氏によって提唱された「優れた起業家が用いる意思決定の理論」のことで、アントレプレナーシップの新たな潮流として世界的に注目を集めています。サラスバシー氏は、熟達した起業家(具体的には個人・チームを問わず、1社以上を起業し、創業者としてフルタイムで働き、最低でも1社以上を株式公開した人物)を対象とした実験を行い、彼らの意思決定に共通する思考様式を見出しました。その5つの特徴的なヒューリスティクス(経験則)はエフェクチュエーションと名付けられ、誰もが学習可能な意思決定の理論として体系化されました。

■エフェクチュエーションを理解し、活用するための入門書

 本書は、これまで専門書のみしかなかったエフェクチュエーションの初めての入門書となります。エフェクチュエーションに関する学術的な解説やケーススタディを吉田満梨氏が、個人・企業内で活用するためのヒントを中村龍太氏が執筆しています。学術書を読むことはハードルが高いと感じる方や、理論的な関心だけではなく実践に活かすヒントを得たい方にも役立ちます。企業で新規事業開発や市場創造、イノベーション創出など、不確実性の高い問題に取り込んでいる方はもちろん、仕事や暮らしのなかで「新たな価値を創造したい」すべての人に向けた内容となっています。

■不確実性の高まりと、これまでの経営学の限界

 エフェクチュエーション以前の経営学では、目的に対して最適な手段を追究する「コ―ゼーション(因果論)」が広く浸透していました。これはすなわち、予測に基づいて機会を特定したうえで、成功する見込みの高いプロジェクトに効率的に経営資源を配分する合理的なアプローチです。ただし、それが有効であるのは、環境が分析に基づいて予測可能な場合に限られます。コロナ禍を含む社会・経済環境の大きな変化をきっかけに、私たちが直面する多くの問題が、従来の予測合理的なアプローチでは対処困難であるという認識が高まっています。そのようななか、高い不確実性に対して「予測」ではなく「コントロ―ル」によって対処するエフェクチュエーションは、困難な問題にも有効な行動指針を提供すると期待されています。

<エフェクチュエーションの5つの原則>

■『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』

著者:吉田満梨、中村龍太

定価:1,980円(税込)

発売日:2023年8月30日

発行:ダイヤモンド

判型:46判並製・264頁

https://www.amazon.co.jp/dp/4478110743/

■著者プロフィール:吉田満梨(よしだ・まり)

神戸大学大学院経営学研究科准教授。神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(商学博士)、首都大学東京(現東京都立大学)都市教養学部経営学系助教、立命館大学経営学部准教授を経て、2021年より現職。2023年より、京都大学経営管理大学院「哲学的企業家研究寄付講座」客員准教授を兼任。専門はマーケティング論で、特に新市場の形成プロセスの分析に関心を持つ。主要著書に、『ビジネス三國志』(共著、プレジデント社)、『マーケティング・リフレーミング』(共著、有斐閣)、訳書に『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』(碩学舎)など。

■著者プロフィール:中村龍太(なかむら・りゅうた

1964年広島県生まれ。日本大学生産工学部卒業後、1986年日本電気入社。1997年マイクロソフトに転職し、いくつもの新規事業の立ち上げに従事。2013 年、サイボウズとダンクソフトに同時に転職、複業を開始。さらに、2015 年には NKアグリの提携社員として就農。現在は、コラボワークス代表、サイボウズ執行役員、自営農家のポートフォリオワーカー。2016年「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で副業の実態を説明した複業のエバンジェリストとして活躍中。著書に、『出世しなくても、幸せに働けます。』(PHP研究所)、『多様な自分を生きる働き方』(エッセンシャル出版社)がある。

配信元企業:株式会社ダイヤモンド

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