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 「真実」も「事実」はどちらも嘘偽りのないことを示すが、全く同じ意味ではない。「真実」は、人の見方やとらえ方によって変わるためいくつか存在するが、「事実」は、揺るぎようのない、実際に起こった客観的な出来事のみを指すので一つだけだ。

 ネット上ではフェイクニュースFake news)が増殖しており、人によってはフェイクニュースを「事実」として信じてしまっている場合も多い。

 「ギネス世界記録」では、記録を正すための役割を果たしているが、今回、フェイクニュースという言葉が『オックスフォード英語辞典』に掲載されたことを受け、多くの人が「真実」だと信じていた、誤った5つの「事実」を教えてくれた。

【画像】 「中国の万里の長城は月から見える」は誤り

 万里の長城は、世界最大の壁で、連なる壁、壕、塔、門を含めたその総延長は、21,196 kmとされている。

  史上最高の建築上の偉業のひとつなのは確かだが、一般的に信じられているといっても、実際に月からは見えない。

 月から見た万里の長城の幅は、3キロ離れたところから見た人間の毛髪一本と同じ。つまり、人間の肉眼ではとても見えないのだ。

 では、もう少し近いところ、例えば、国際宇宙ステーションから見たらどうだろうか?

 答えは、かろうじてイエス。ただし、NASAによると、完璧な条件下で見た場合でも、かすかに見える程度だという。ドバイの人工島パーム・ジュメイラやギザのピラミッドほどはっきりとは見えないそうだ。

・合わせて読みたい→偽りの記憶は、誰かにそれを語られることによって強化され真実と思い込んでしまう(英研究)

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「雷は同じ場所に2度落ちることはない」は誤り

 雷は、同じ場所に2度、3度、さらにはもっと落ちる。例えば、エンパイアステートビルには、年間平均25回も雷が落ちている。

 世界でもっとも落雷が集中している場所は、ベネズエラマラカイボ湖に注ぐカタトゥンボ川河口だ。地元では、"炎の川"として知られるくらいで、毎年、1平方キロメートル当たり、250回近くも落雷がある。

 カタトゥンボの雷は、年間最大300回、9時間にもわたって発生する可能性がある。

 しかも雷は、何度も同じ場所に落ちるだけでなく、同じ人間を直撃することもある。

・合わせて読みたい→真珠は錯覚?フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」の新たな真実が判明(オランダ研究)

 雷の直撃を何度も受けたのに、生き延びた世界記録をもつ人は、アメリカのパークレンジャーロイ・C・サリバン氏。"人間避雷針"の異名をもつ。

 サリバン氏は、7回もの雷の直撃を受けた。

1942年、足の親指の爪を失う
1969年、眉毛を失う
1970年、左肩を火傷
1972年、頭髪に火がつき消失
1973年、せっかく生えてきた髪の毛にまたしても火がつき、脚に火傷
1976年、足首を負傷
1977年、胸と腹に火傷

「金魚の記憶は3秒しかない」は誤り

 2003年、オランダに住むジョリス・ガイスバース氏が飼っていた金魚が、体長47.4cmを記録し、ギネス記録を達成、世界最長とされた。

 では金魚の記憶力はどれくらいなのだろうか?

 一般的に、金魚の記憶力は極端に短いと言われているが、3秒どころか少なくとも3ヵ月は物事を記憶していることが証明されている。

 1994年プリマス大学の研究者たちが、金魚を訓練して、レバーを押してエサを得ることを覚え込ませた。

 やがて、金魚はこの操作を覚えて、お腹がすくとレバーを押すようになった。そこで、レバーが一日一時間しか作動しないように細工すると、金魚はそのからくりも覚えて、毎日レバーが作動する同じ時間にやってきては、エサをもらうようになった。

 おそらく、金魚史上もっとも多くの記憶を蓄積していたのは、ティッシュという名の金魚だろう。彼は、1956年に7歳のピーター・ハンド(イギリス)に飼われてから、43年間も生きた。

 ちなみに金魚は訓練すれば車を水槽の中で運転することが可能なことも証明された。

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「カボチャは野菜である」は誤り(※ただし日本は例外)

 かぼちゃは日本にはカンボジアから渡ってきたといわれているが、もともとの原産はアメリカ大陸だ。

 アメリカではカボチャは野菜ではなく果物と分類されている。ただし日本ではウリ科の野菜と分類されたり、 果実を食用とする野菜として「果菜(かさい)」類に分類される場合がほとんどだ。

 世界でもっとも重いカボチャは、2021年、イタリアで栽培された1226kgのもので、日産車 ティーダよりも重い。

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世界ギネス記録を達成した1226kgのかぼちゃ / image credit:Guinness World Records

「バナナは木になる」は誤り

 実は、バナナ植物には幹はなく、幹のように見えるのは、バナナの葉柄が固く巻かれてできた偽の幹なのだ。

 木や低木とは異なり、バナナは越冬するための木質部分がなく、毎年新しく成長するため、植物学的には草本だと考えられている。

 最大の草本は、ニューギニアジャイアント・ハイランドバナナ(ムサ・インゲンス)と、ボリビアペルー原産の珍種アナナスである、アンデスの女王(プヤ・ライモンディ)だ。

 ジャイアント・ハイランドバナナは、通常15mもの高さになり、葉を広げるとさらに高く見える。アンデスの女王も、同じくらいの高さになる。

追記:(2023/08/31)本文を一部訂正して再送します。

References:Five more completely false 'facts' you still believe | Guinness World Records / written by konohazuku / edited by / parumo

 
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