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アメリカで、浅瀬にいたイルカの赤ちゃんを捕らえて記念撮影した挙句、死なせてしまった19歳の男性に非難の声が集まっている。この男性は、イルカを抱いて満面の笑みを浮かべた写真をSNSに投稿していた。米ニュースメディア『TMZ』などが伝えている。

米フロリダ州ナッソー郡のアメリア島に架かる高架橋付近の海岸で今月23日、イルカの赤ちゃんの死骸が発見された。イルカの死骸はフロリダ州魚類野生生物保護委員会(FWC)によって回収され、FWCの報告書によってイルカは1歳のバンドウイルカということが明らかになっている。

ところが単なるイルカの死ではなかった。のちにFWCと同報告書を共有するノースフロリダ大学の沿岸海洋生物学の准教授であるクインシー・ギブソン氏(Quincy Gibson)が、SNSで拡散された写真に写る19歳の男性が抱いているイルカと海岸から回収されたイルカが同一のものだとして、このように述べた。

「私がFWCから聞いたところによると、死骸のイルカとSNSのイルカが同じだという意見で全員が一致しています。抱き上げられている写真のイルカと体型の形が一致するので、同じ可能性が非常に高いと思います。」

クインシー氏によると、イルカ背びれが特徴的な形をしていたため同じイルカだと判断したとのことだ。またFWCの報告書に掲載されているイルカの死骸の写真は、腐敗によって膨張し、口からは流血していた。さらにクインシー氏はこのように続けた。

イルカは、この若者に写真を撮られた後で死んだ可能性が高いようです。水中から引き上げられた時に死んでいた可能性は、限りなく低いと思います。それに写真に写る若者の様子からして、彼らはイルカを捕まえたようなんです。」

写真を投稿した男性のInstagramは、多くの非難の声が殺到して大炎上した。この写真を州当局に報告した地元のサーファーであるケヴィン・ボーグランドさん(Kevin Beaugrand)によると、男性は非難のコメントに対して「どうだっていいだろう。海辺でまさかイルカを捕まえるなんて、一生に一度あるかないかだったんだ」と返し、反省している様子が見られなかったという。ケヴィンさんは、フロリダ州ニュースメディア『News4JAX』のインタビューに応じ「これは自然に対する犯罪だ」と述べた。

米ニュースメディア『New York Post』によると、のちに男性はマスコミに対して「イルカがまだ生きているか、または蘇生できるかを見極めようとした」と述べたそうだ。その後、男性のInstagramは脅迫めいたコメントも届くようになったためか、非公開になっている。

アメリカの海産哺乳類保護法では、野生のイルカに接触することはたとえ死んでいたとしても違法とされるが、この男性は今のところ罪に問われていないようだ。『News4JAX』によると、男性が起訴された場合は最高3万4000ドル(約500万円)の罰金、または最長1年の懲役を科せられる可能性があるとのことだ。

画像は『TMZ 2023年8月24日付「BABY DOLPHIN FOUND DEAD After It Was Used For Instagram Photo-Op」(WJXT)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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