コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家の帯屋ミドリさんが描く連載作品『今日から始める幼なじみ』の中から夏祭りのエピソードである47話・48話をピックアップ。

【漫画】浴衣で幼なじみと夏祭り…1コマ1ページを使ったラストに「甘酸っぱくて良し!」

X(旧Twitter)で2023年8月5日に投稿したところ、3.6万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、帯屋ミドリさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

幼なじみ夏祭りに出掛ける青春ど真ん中漫画

「今日から始める幼なじみ」は、転校生の柚木楓が相田航平と仲良くなるために「幼なじみになってください!」といったことにより、幼なじみの関係が始まるお話だ。

そして、今作は二人が夏祭りへ出掛けるエピソード。楓も航平も浴衣を着て準備はばっちり。

「か…カッコいい…じゃん…」

「楓もかわいい!!」

すでに甘酸っぱい青春を感じさせる。

二人は手を繋ぎながら屋台を楽しみ、雰囲気はとても良い感じ。しかし、楓は足元を気にしながら少し浮かない様子だ。そんなところに、友人の幼なじみペアが現れる。女の子は男の子におんぶされていた。どうやら下駄の鼻緒が切れてしまっていたようだ。

帰り道、楓は先ほどの友人たちを羨ましがる。お祭り中、楓が足元を気にしていたのは、下駄の鼻緒が切れるのを期待してのこと…。お祭りデートの理想的なシチュエーションともいえるおんぶを期待していた――。

羨ましかった気持ちを素直に口にする楓に対して、航平は「足は痛くない?」と尋ねる。「平気だよ」とすぐに返事をした楓だったが、すぐに航平の気持ちに気付く。

「…あ!!!やっぱり痛い!!」

理想のシチュエーションの完成だ。航平が楓をおんぶする。二人は少し緊張するも、楽しく会話を始める。夏休みに色々なところへ出掛けた二人。プールにラジオ体操、花火も二人で過ごして、今日は夏祭り。すごく楽しい夏休みになった。

楓は言う。「今までで一番楽しい夏休みになった」と。

そして、続けて言ったラストの一言に、青春の甘酸っぱさが弾ける。このキュンとする結末は、ぜひ実際に漫画を読んで確かめてほしい。

■作者・帯屋ミドリさん「2人の青春をより伝えられるよう今作で初めて1P全部を1コマに使いました」

――『今日から始める幼なじみ』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。

最初は一般的な定義の普通の幼なじみの漫画を描こうと思っていました。ただ世の中には幼なじみラブコメはたくさんあり、どうすれば違いを見せられるか悩みました。

そして自分にはラブコメのような異性の幼なじみはいなかったなあと考えていた際、いないなら作ればいいのでは?という発想に至り、その時に「私と幼なじみになってください!」と叫ぶ女の子が浮かびました。それがきっかけです。

――47話・48話は夏祭りに行くお話を描いています。今作を描くうえで、特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。

幼なじみに限らずラブコメの定番である「夏祭りで下駄の鼻緒が切れる」を「幼なじみになった2人」の関係性においてどう活かすのが一番面白いかを特に心がけて考えました。

その結果、お手本になる王道の幼なじみの2人を別で登場させました。

また、夏休みの集大成となる話だったので、楓と航平の2人の青春をより伝えられるよう今作で初めて1P全部を1コマに使いました。

――今作のなかで特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由とあわせてお教えください。

先の質問で挙げましたが1P全部を1コマにしたシーンです。あんな風に言われたかったなあと航平に嫉妬しながら描きました。

47話ラストのびっくりしてる2人も気に入ってます。

――夏祭りは季節を感じるとても楽しいイベントです。作中、航平と楓はフルーツ飴を食べたりヨーヨー釣りをしたりして楽しんでいました。帯屋ミドリさんにとっての、夏祭りの魅力や好きな屋台がありましたらお聞かせください。

幼なじみと2人きりで楽しむ…なんて経験はなかったのですが、小学生の時にみんなで遊んでいたカードゲームのくじの屋台があり、レアカードがずらーっと並んでたのを友達といつまでも眺めていました。当たってる人を見ることはありませんでしたが…

――今後の展望・目標をお教えください。

『今日おさ』を読んで実際に幼なじみを作りました!といつか誰かに報告される日が来ることを目標に頑張ってます。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも『今日おさ』を読んでいただきありがとうございます!幼なじみを作る、なんてどう思われるだろうと不安も最初はありましたが、今では沢山の方々に応援していただけており嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願いします!!!

夏祭りに出掛ける幼なじみ/(C)帯屋ミドリ/新潮社