著書『これだけやれば大丈夫!お金の不安がなくなる資産形成1年生』(KADOKAWA)の著者で、登録者50万人超のYouTubeチャンネルを運営する元銀行員の小林亮平氏は、資産形成を始める前に、まずは「生活防衛資金」の確保をすすめています。その「生活防衛資金」とはなんなのか、いったいいくら貯めれば安心なのか……詳しく見ていきましょう。

まずは「生活防衛資金」をつくろう

【登場人物】

ペンタごん……おさかな銀行に勤務の社会人2年目。営業職で担当先への融資提案が主な仕事。お客さんと話すのは楽しいけど、仕事自体があまり好きではないので、早くもサボり癖を覚え始めている。好きなものはビールとスルメ、嫌いなものは残業。趣味は仕事終わりの同僚との飲み、ネットサーフィン

亮平さん……1989年生まれ、元メガバンク銀行員のYouTuber。銀行へは面接官がやさしかったという理由で入行したが、自分の好きなことで人の役に立ち、自由に生きていきたいと思い独立。好きなものはビールとラーメン。趣味はラグビー観戦。

亮平さん:毎月2万円のプラスになりそうだから、これで先取り貯蓄はバッチリだね。

ペンタごん:やっぱり固定費削減の効果は大きいね! さっ、お金が貯まったら何に使おうかな~♪

亮平さん:おっと、それはちょっと待ってね。貯まったお金はすぐ使わずに、そのまま貯めておいて欲しいんだ。お金が貯まるたびに使っていたら、結局、貯金額が増えないままだからね。

ペンタごん:でも、貯金額っていくらを目指していけばいいのさ? すぐ使っちゃいけないなら、目標の金額を教えて欲しいな。

亮平さん:いい質問だね。貯金も順番があって、まずは収入がなくなった時などのまさかの事態に備えて、お金を優先して貯めるのが大事だよ。これを生活防衛資金と呼ぶんだけど、その名の通り、自分の生活を守ってくれるお金のことだね。

ペンタごん:なるほど、たしかに会社の給料が下がって急に不安に感じたのは、貯金がなかったからだもんなあ。

亮平さん:生活防衛資金の目安は職業などによって異なるけど、たとえば会社を辞めて収入がなくなっても、半年程度で再就職を見込めると想定して、6カ月分の生活費を目標に貯められるといいね。

僕みたいな個人事業主の人は、収入が不安定な面も考慮して、1~2年分は用意しておきたいかな。誤解しやすいけど、生活防衛資金は月収ではなく、最低限の生活費の何カ月分かで考えればOKだよ。

ペンタごん:僕なら、いざという時は実家に帰ればいいから、最低限の生活費は月10万円もあれば何とかなるかなあ。月10万円の6カ月分を生活防衛資金とすると、60万円の貯金をまずは目指すのか……。(遠い目)ちなみに、生活防衛資金が貯まったら、次は何を目標にして貯めていけばいいのさ?

投資に回すのは「余裕資金」

亮平さん:生活防衛資金の次は、近い将来、何にまとまったお金を使うかを考えてみよう。たとえば趣味や旅行、車や結婚資金、近い将来必要となる子どもの教育費などにいくらかかるか考えて、目標額を決めていくんだ。

まだお金を使う予定が特になさそうなら、子どもが生まれた時の養育費や教育費、自分の老後資金などを見据えて貯金していくのがいいね。このしばらく使わないお金は余裕資金とも言うけど、これから話す投資に回していくのもアリだから、覚えておこう。

ペンタごん:へ~、貯金って何となくやっていたから、こんな風に順番を考えるといいんだね! とりあえずは生活防衛資金を貯めることを頑張ります!

<Point>

●貯まったお金はすぐ使わずに、そのまま貯めておく。

●貯金の使い道には、生活防衛資金、近い将来に使う予定の資金、余裕資金の3種類があるが、まずは生活防衛資金を優先して、最低限の生活費の6カ月~2年分を目安に貯める。

小林 亮平

資産運用YouTuber

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(※写真はイメージです/PIXTA)