近本をはじめ、今季好調な選手は多い。ここから最後の山をどう上っていくのか注目だ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 セ・リーグ首位の阪神8月30日甲子園でのDeNA戦に2-4で敗れ、前カードから3連敗となった。およそ1か月ぶりに帰ってきた本拠地で、今月最後のゲームとなったものの、白星で締め括ることはできなかった。

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 この甲子園でのDeNA2連戦、阪神にとって厳しい戦いとなった。29日の初戦は2-0でリードして迎えた9回、守護神・岩崎優が2被弾でまさかの逆転負け。この敗戦により、優勝マジックも消滅した。さらに、30日の試合も2回に先制点を奪いながらも、中盤で逆転を許し、打線もDeNAの7投手の前にわずか4安打に抑えられ2点止まりと、追いつくことはできなかった。

 2位広島が今月の半ばから連敗も無く、順調に白星を積み上げてきており、阪神との差が5ゲーム(8月30日まで)に縮まるなど、終盤に来て追い上げの勢いを増している。阪神にとって2005年以来となるペナント制覇に向け、ここからはさらにプレッシャーも大きくなる中で、今後どんな戦い方が求められるのか。選手、指導者としてリーグ優勝、日本一の経験をもつ球界OBがコメントを寄せている。

 現役時、阪急、オリックスで活躍し、投手コーチとして阪神の2003年のリーグ制覇にも貢献した佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を8月31日に更新。3連敗を喫した阪神の現状、そして優勝争いの中での選手の心境などについて語った。

 佐藤氏は「阪神は1個勝てば選手も変わってくるんじゃないか。まだ大丈夫。焦る時期ではない」と現在の阪神の状況を評しており、今後に向けては「選手全員が若く、優勝経験がないので、切羽詰まってきたときにどういう戦いができるか」と論じている。

 その上で「岡田監督コーチは優勝経験があるからどれだけ(選手を)リラックスさせられるか」と首脳陣の対応も重要となってくるとしながら、選手に対し「プレッシャーを跳ね返せる力があるかどうかもみてみたい」と優勝争いの中での選手のプレーを自身での注目すべき点に挙げた。

 また、楽天での投手コーチ時代のエピソードとして、クライマックスシリーズ出場した際、中継ぎ投手が重圧により、通常とは明らかに違う投球ばかりだったと振り返っており「投手は普段からCSで投げるくらいのつもりでいないと。雰囲気が全く違うんで」と指摘。「徐々に、そういう思いでやっていった方が良い」として、現段階より、大きなプレッシャーのかかる場面を想定しながら取り組むべきと説いている。

 佐藤氏の言葉の通り、優勝経験の無い選手たちがいかにプレッシャーをはねのけるかがファンにとっても大きな見どころであることは間違いない。9月1日からのヤクルト3連戦で連敗をストップさせ、再び勢いを取り戻せるか。今後は試合でのプレーはもちろん、選手それぞれの精神面も試される日々が続くことになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「焦る時期ではない」3連敗の阪神、球界OBが”終盤戦”の精神面について持論「プレッシャーを跳ね返せる力があるかどうかをみたい」