ヘンリー王子は、アフガニスタンから戻ってきた後、「胎児のような格好」で床に横たわり、トラウマに耐えていたという。

ヘンリー王子が創設した、負傷軍人のための国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」に参加する退役軍人の生活を追ったネットフリックスの新番組「ハート・オブ・インビクタス−負傷戦士と不屈の魂−」の中で、王子が当時の状況を明かした。

ヘンリー王子は同番組の第2回で、英陸軍でアフガニスタンに派遣された時のことをこう語っている。

「2011年にアパッチ攻撃ヘリコプターのパイロットとしてアフガニスタンに派遣された私の個人的な経験からしか話すことはできません」
「あの後、どこかでほどけ始めたんですが、きっかけはアフガニスタンから戻ってきたことでした」

そして、1997年にパリでの交通事故で36歳で母ダイアナ妃が他界した時の痛みが蘇ったことを認めている。

「しかし、こみ上げてきたのは12歳だった1997年からのものです」
「あれほど幼い時に母を失ったトラウマを、それまで気が付いていませんでした。それが全て出てきた時、私は壁に跳ね返っていました」
「何が起こっているのかを考えました。感覚が麻痺するのではなく、全てを感じていたのです」
「最も辛かったことは、周りに助けてくれる人が誰もいなかったことです」
「私にはサポートしてくれるネットワークや、自分に実際に何が起こっているのか特定する専門家によるアドバイスもありませんでした」
「不運にも、私達のほとんどがそうであるように、セラピーを初めて本気で考えるようになるのは、胎児のような格好で床に横たわり、恐らく、過去にそれらに対処していればよかったと願っている時です」

ヘンリー王子は、回顧録「スペア」の中で、ダイアナ妃の死によるトラウマや王室の一員として育った苦悩を告白していた。