鼻づまりで病院に行ったら、突然「がん」と宣告された!2児の母であるやよいかめさん(@yayoi_kame)が2023年3月に発売したコミック「鼻腔ガンになった話」は、そんな実体験を漫画化した闘病エッセイだ。お金や手術、副作用…さまざまな不安を抱えながらも、家族や周囲の人々と支え合うことで闘病生活を乗り越えていく様子を、”がんサバイバー”当事者の視点からコミカルに描いている。

【漫画を読む】「がん」になったことを、夫や子供にどう伝えたのか

書籍の一部を抜粋・編集し、作者であるやよいかめさんのインタビューとともにお届けする。

※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含む為、閲覧にはご注意ください。

■突然「がん」と告知された当時のこと

がんを告げられた瞬間は、頭が真っ白になりました。信じられなくて、検査結果に間違いがある可能性はないのかと先生に尋ねました。あまりのショックに、先生の話がちょっと遠くから聞こえてくるような不思議な感覚になったのを覚えています。自分の大事なことを先生が説明してくれているのに、人ごとのように感じられました。

子供への告知は正直迷いました。「ママが死んでしまうかもしれない」という事実は、子供には残酷なような気がしたからです。でも、もし自分だったら親に隠し事をされる方がショックだな、今後子供が親のことを信用できなくなってしまったら本末転倒だな、と思って。最終的には、正直にがんになってしまったということを伝えました。

書籍では、このあとの話で母への告知の場面があります。私の母にがんであることを電話したときは、申し訳ないような気持ちになりました。というのも、私の父と叔母ががんで亡くなっているからです。母にとっては3回目となる、近しい人間のがん告知は辛かったと思います。漫画の中ではおもしろく描いていますが、実際母にとっては不安でしょうがなかったと思います。

■がんの当事者になった時のために読んでおきたい

がんとの闘病生活のリアルを知ることができる「鼻腔ガンになった話」。誰もが「がんサバイバー」の当事者となる可能性がある今、ぜひ読んでおきたい作品だ。

「鼻腔ガンになった話」第3話より