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(写真:時事通信

騒動を経て、再起に向けて奮闘する中古車販売大手「ビッグモーター」。しかし、早々に暗雲が立ち込めているようだ。

9月1日に配信された「日テレNEWS」の記事によると、騒動以降、客数の減少などが原因となって社員の報酬が減るのを避けたいと考えた和泉伸二社長は、8月31日にメールで社員に報酬の補填を約束。しかし店舗ごとの実績が大きく開いたため、「9月もそのまま続くと継続した補填をする事が難しくなる」と説明。そこで“販売店1店舗あたり500万円の売り上げの上積み”などを社員に求めた上で、「全員で会社を守り未来に繋げるしかありません。ここからは存続をかけた本気の戦いがはじまります」と綴ったという。

ビッグモーターといえば、今年7月にゴルフボールなどを使い修理車の傷を増やすことで、損害保険会社に対し請求する修理代を水増ししていたことが発覚。さらに修理による儲けがノルマ設定され、工場に1台当たり14万円前後を達成するよう要求。達成できない場合、降格や左遷人事があったとされている。

また兼重宏一前副社長が3年で47人の社員に対し一方的な降格処分を行っていたほか、社員に「死刑死刑死刑死刑」と連呼するパワハラLINEも明らかに。副社長だけでなく、上司が部下に対し「ぶち殺すぞ!」と罵声を浴びせるといったパワハラが横行していたことも報じられている。

“上からの理不尽な要求”やパワハラが連日メディアに取り上げられ問題視されたにも関わらずメールで再び“上からの要求”を行った和泉社長。さらにメールの文面を言い換えると、騒動がいまだ収束しないなか、「報酬を確保するために、いっそう働け」と社員らに命じているとも捉えることができる。そのため、ネットでは和泉社長の行動を疑問視するような声がこう上がっている。

《これホントならマジですごいこと書いてあるな 君たちの報酬は保障したいから君たちで頑張って稼いでくれって言ってんのか?》
《社員にばかり求める体質なんら変わってないね。そもそもこの状況でどうやって売上を上積みするのか。また無理させて不正が起こる方がリスクだろうに。自浄作用がないのは明らかだね》
《責任の度合いを考えても、従業員に売上を要求する前に、創業者、前経営陣の責任を追求し、その財産提供を求めてからだと思うのだが》
《前社長親子とか現経営陣が身銭切って社員の給与補填すればいいんじゃないですか》

9月1日大阪府大東市に住むビッグモーターの社員が中古車の買い取り査定を巡り、ライバル企業の社員を暴行したとして逮捕されたばかり。本当に“変わった”と思ってもらうにはまだまだ時間がかかりそうだ――。