怪我をしてもなお、グラウンドに立ち続ける大谷。そのパフォーマンスに驚きの声が上がっている。(C)Getty Images
キャリアを揺るがす怪我に見舞われても、大谷翔平(エンゼルス)はグラウンドに立つ。
去る8月23日に右肘側副靭帯の損傷が判明した大谷。チームが「今シーズンの残り試合での登板がなくなった」と発表してからも「影響がない」と打者として出場。打率.307、OPS1.071と好成績を記録し、なかなか勝ちきれない状況が続くエンゼルスの希望となっている。
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しかし、エンゼルスのポストシーズン進出の可能性が限りなくゼロに等しい状況下で、リスクを冒す必要性がないのではないか。そんな声は米メディアやファンの間では絶え間なく論じられている。
米メディア『The Athletic』の取材に応じたコーリー・シーガーは、懐疑的な意見を提唱している。2018年にトミー・ジョン手術を行い、そこから再起を遂げて今季は打率.346、25本塁打、OPS1.062を記録する29歳は、実体験をもとに語っている。
「僕にはわからないんだ。なぜ今、手術を受けないのか、がね。フリーエージェントになるんだよね? いまメスを入れたら、少なくとも来年の半ばには問題なく打てるようになるのに」
球団発表によれば、大谷は代理人と話し合ったうえで、チームのMRI検査を辞退。プレーの継続を望んだという。MLBでも屈指の実力を誇るシーガーでも驚く決断にはトミー・ジョン手術のプロフェッショナルも愕然とする。
整形外科医のエリック・ボウマン医師は『The Athletic』で「ダブルヘッダーの第2試合で彼が戻ってきたという事実は、自身の決意とチームへの献身の証だと思う。それはかなり信じられないことだよ」と指摘。懸念される怪我のリスクに関する持論も口にした。
「基本的にはバッティングは右肘にストレスは少ないと考えられはいる。しかし、彼がここまで早く戦線に復帰したのは驚いた。ただ、当然だけどリスクは高くなるよ。だから、できるだけゆっくりと順序立てて、治療するように努めるべきだ」
ボウマン医師の提言を受け、『The Athletic』は、次のように結論づけている。
「オオタニの青写真となりうるのは、オオタニ自身である」
2018年にトミー・ジョン手術を受けた大谷は、翌年5月7日に指名打者として復帰。打そのシーズンは率.286、18本塁打を記録していた。
今シーズンは打者として戦い続ける意思を示している大谷。この決断が、彼の将来にいかなる影響をもたらすのか。興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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