毎年恒例の夏のイベント「Animelo Summer Live」(アニサマ)が、今年もやってきた! 2023年8月25日(金)、26日(土)、27日(日)の3日間にわたって開催された世界最大のアニソンライブイベント「Animelo Summer Live 2023 -AXEL-」(アニサマ2023)。

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アキバ総研では、3日間の模様を振り返るレポートを掲載する。今回は最終日となった8月27日のDAY3前半戦をお届けしよう。

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アニサマ2023の3日目は、最初からサプライズが起こる。2012年のアニサマに出演し、会場を熱狂させたRO-KYU-BU!が、同ユニットの単独ライブ以来、10年ぶりに復活したのだ。まずは「ロウきゅーぶ!」OPテーマ「SHOOT!」で、花澤香菜さん(湊智花役)、日笠陽子さん(永塚紗季役)、日高里菜さん(香椎愛莉役)、小倉唯さん(袴田ひなた役)、井口裕香さん(三沢真帆役)と、ソロパートを繋げていく。それを見て、改めるまでもなく最強メンバーだと感じたし、この日の夜は「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の日本代表戦が行われることになっていたので、タイミング的にもバッチリな復活だなと思ってしまった。

 

ダンスの息もピッタリで、この日に向けてしっかり準備してきたことがうかがえる。歌声は変わらないものの、10年ぶりの復活である。「大人になったなぁ」というのは、12年のアニサマを見ていた筆者の感想だが、歌い終えた花澤さんの第一声が「みんな、知ってる?」だったことも、妙に納得させられた。12年前というと10代の観客は、実際にRO-KYU-BU!のライブを見たことがない世代となる。だが、この会場の盛り上がり! アニソンが時代を超えて長く愛され続けるものである証明のようにも感じた。

 


続いて「みんなのところへ行っちゃおう!」と、トロッコに乗って「Rolling! Rolling!」(アニメ「ロウきゅーぶ!SS」ED)を披露。会場を大きく一周し、観客を喜ばせていた。

 

 

真っ白なドレスを着て登場した芹澤優さんは、「好きになってください」と言って、「最悪な日でもあなたが好き。」(アニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」ED)を歌う。i☆Risでは何度もアニサマのステージに立ち、会場を盛り上げてきた彼女だが、ソロとしてはこれが初! この曲には〈やっと掴んだチャンス譲れない〉という歌詞もあるが、この舞台にはそういう気持ちもあったのかもしれない。


ソロアイドルとしての彼女のパフォーマンスは最高にかわいくて、歌も最高なので、それを観客に見せつけるライブだったと思う。あまりにも大きな“オレモー”の歓声を受け、思わず涙ぐむところもあったが、素晴らしいステージだった。

 


「“はじめまして” 芹澤優です」と挨拶をすると、ひとつやりたいことがあると言って、コール&レスポンスのお願いをする。〈朝起きてあなたが好き〉と歌うと会場からは「オレモー」の大コール。これを、イヤモニを外して堪能すると、ここで白から赤のドレスに早替えを披露。

 

芹澤優 feat. MOTSUとして、トランスナンバー「JUNGLE FIRE」(アニメ「MFゴースト」OP)を熱唱する。MOTSUさんの強烈なパワーと個性が加わり、ゴージャスでテンションがアガりまくるライブとなったが、そこでも彼女は、1曲目とはまったく違うセクシーな魅力を見せつけ、ステージを終えた。

 

 

ポップアップで2人ずつ登場してきたDIALOGUE+は、自己紹介ソング「ダイアローグ+インビテーション!」を挨拶代わりに披露する。その一糸乱れぬパフォーマンスを見たら、彼女たちが多くの経験を積んで成長してきたことが一発でわかった。続く「にゃんぼりーdeモッフィー!!」(アニメ「カワイスギクライシス」ED)も安定感のあるステージ。ものすごくにぎやかな曲で、ボーカル的にも難易度激高だと思うのだが、それをニュアンスを入れて歌い、ここまで完成度高く届けられるのは、ただただすごい。



田淵智也さんが作詞・作曲をし、kzさん(livetune)がアレンジをした「僕らが愚かだなんて誰が言った」(アニメ「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」ED)では、シリアスでエモーショナルな面を見せつける。終始、歌の表現力とダンスで魅せる声優ユニットであること証明していくステージ。彼女たちのパフォーマンス力に圧倒されてしまった。

 

 

伊藤美来さんは、会場をブルー一色に染め上げる「Shocking Blue」(アニメ「武装少女マキャヴェリズム」OP)からスタート。アニサマバンドにストリングスブラスセクションが加わった超ゴージャスな演奏の中、パワフルな歌声を響かせていく。ステージ上手から歩いて登場し、そのまま下手まで歩いていったのだが、そのたたずまいや歌声からは、貫禄すら感じてしまった。ソロでは5回目のアニサマ出演だそうだが、どんどん進化していくみっくを、毎回見ている感じがする。

 

続いて、「アニサマではいつも新しい挑戦をしているんですが、今回は、10月に発売予定の新曲を、アニサマ様で初披露させていただくことになりました!」と言って、TVアニメ「星屑テレパス」OPテーマ「点と線」を緊張しながらも初披露。美しいアニメの映像をバックに、透明感のある歌声を響かせた。


打ち込み主体のピコピコサウンドというのはこれまでになかったので、この曲自体が挑戦だったと思うが、心を込めて歌う姿が印象的だった。

 

 

東山奈央さんは最新曲「door」(アニメ「シュガーアップル・フェアリーテイル」第2クールED)からスタート。やさしく温もりのある歌声は、新しい扉を開け、先へ進む背中を押してくれる。「生演奏で披露するのが初めてで! アニサマバンドの皆さんありがとうございます」と言って感謝の気持ちを伝えることも忘れない。

 

 

そして「ペンライトを青と白にしてください」とお願いをすると、halcaさんを呼び込み、自身が更科瑠夏役で出演するTVアニメ「彼女、お借りします」第1期OPテーマ「センチメートル」を2人で披露。一緒に飛び跳ねたり、手を合わせたり、視線を送り合ったり、楽しそうにパフォーマンスしていた。

 

 

さらにもう1曲。東山さんがレイシア役として出演していたTVアニメ「BEATLESS」から、第1クール目のOPテーマ「Error」を、GARNiDELiA feat. 東山奈央として、MARiAさんとともに歌う。GARNiDELiAに合わせて衣装も早替えし、雰囲気をガラッと変え、ダンサーとともに、完成度が異様に高いダンスパフォーマンスも披露する東山さん。というのも「Error」を一緒に歌いたいと言ったのは彼女自身だったそうで、MVを何度も見ていたのだという。だから、カッコよく踊るMARiAさんの横で、キレッキレに踊れていたというわけだ。最後は同い年ということで、肩を組みながらお互いを称え合っていた。

 

 

そしてGARNiDELiAのステージへ。MARiAさんが観客を煽り、「皆さん一緒に飛んでくれますか? アクセル全開でぶっ飛ばしていきましょう!」と言うと、「幻愛遊戯」(アニメ「うちの師匠はしっぽがない」OP)をコンポーザーのtokuさんとともに、ステージを横断しながら歌っていく。歌の素晴らしさは言うまでもないが、ダンサーホーンセクションによって、見た目的にも音的にも豪華なステージになっていたし、サビではジャンプをしながら、会場を思い切り盛り上げていた。

 

 

ここからは、HIPHOPメディアミックスプロジェクト“Paradox Live”に存在する各チームが、HIP HOPライブを繰り広げていくブロック! 

まずは小林裕介さん(矢戸乃上珂波汰役)、豊永利行さん(矢戸乃上那由汰役)によるcozmezが、「Get it」で、ダウナーでクールな歌声を響かせる。

続くBAEからは、梶原岳人さん(朱雀野アレン役)と96猫さん(アン・フォークナー役)が登場! 「G△L△XY∞」のサビで手を左右に振って会場をひとつにする。それにしても、自由に声色を操る96猫さんのボーカルのすごさと梶原さんのラップの熱さは見ものだった。

 

 

Paradox Liveから、この日出演するメンバー全員がステージに揃うと、Paradox Liveメドレーを投下! 任侠を重んじるギャング5人組チーム・悪漢奴等からは、近藤孝行さん(翠石依織役)と矢野奨吾さん(円山玲央役)が登場! 図太い近藤さんの声と無邪気さが残る矢野さんの歌声のバランスが最高で、めちゃめちゃアガるステージだった。これは5人でのステージも見てみたい! 

再びのcozmezは「Hit em up」を披露。双子のチームらしく、息の合ったステージを見せつける。続く4人組のチーム・The Cat's Whiskersからは、竹内良太さん(西門直明役)と寺島惇太さん(闇堂四季役)が登場。「Shooting Arrows」では、ずっしりとした竹内さんの渋い低音ボイスと、寺島さんの軽快な歌声がからみ合う。ラストはBAEがメジャー感のあるダンスナンバーを歌う。梶原さんのラップに、美しい96猫さんのボーカルが重なり、独特な世界を作り上げていた。12月からはアニメーションもスタート! 全員が揃ったライブが実現したら、とんでもないことが起こりそうだ。

 

 

センターステージでメガネを探す女子生徒、三重さん(CV.若山詩音)。そしてそれを手伝う小村くん(CV.伊藤昌弘)。そこに白いローブを纏った謎の男として(あきらかに)オーイシマサヨシさんが登場する。この世のすべてのメガネつかさどる眼鏡の精として、三重さんの眼鏡とパリピメガネを差し出し、どちらが探しているメガネなのかを聞くお約束の展開。それにしても、オーイシさんの寸劇のレベルがどんどん上っているのは気のせいだろうか……。しっかり自分のメガネを選んだ若山さんに、歌をあげると言って、TVアニメ「好きな子がめがねを忘れた」のED主題歌「メガネゴーラウンド」が始まる。

 

スペシャルユニット・マサヨシがめがねを忘れた(小村くんと三重さんとオーイシマサヨシ)によるパフォーマンスは、ミュージカルっぽい曲調ということもあって、芝居っぽいやり取りがとてもかわいい。ストーリーテラーのようなポジションでのオーイシさんの歌唱もよかったし、かわいすぎる若山さんと、オドオド歌う伊藤さんのかけ合いも最高だった。

 

 

sajiは、昨年に引き続き登場! まずは「灯日」(アニメ「トモダチゲーム」ED)を勢いよくぶちかます

「昨年のアニサマに出させていただいた時は、皆さんに受け入れていただけるのか、正直不安がありました。でもライブをしたあとに勘違いかもしれないけど、お客さんと心が繋がった気がして感動したんです。僕らsajiはバンドなんですけど、今日は純粋に歌を届けたいと思っているので、ファンになってほしいとかライブに来てほしいとか、そういうことは望みません。みんなとsajiで友達になって帰りたいと思います!」とヨシダタクミさん(Vo.&Gt.)が言うと、最新曲「フラッシュバック」(アニメ「AYAKA -あやか-」ED)を歌う。



3ピースロックバンドだが、鍵盤とドラムがいないsaji。この曲は、その2つのパートが大活躍するのだが、イントロのピアノリフも、ドラムソロもサポートメンバーがめちゃくちゃカッコよく決めてくれていた。さらに、この歌の肝であるサビの〈来世 来世 来世 来世へその手〉と繰り返すところでは、エモーショナルなボーカルをとどろかせていた。

 

 

ギターソロから始まった内田真礼さんのステージ。前半のトリとして、アクセル全開でぶっ放すならこの曲しかない!と、デビュー曲「創傷イノセンス」(アニメ「悪魔のリドル」OP)を叩きつける。この曲の途中で彼女が最後に言うセリフは、彼女のマインドを表しているように思う。この曲は年々完成度が増していっていて、ボーカルも初期の頃とは全然違うのだが、ライブで曲が育つということをよく表している好例だと思う。アニサマ直後にゼップツアーに突入することもあって、もうその準備も完全に整っているように感じた。

 

アニサマにソロで8回参加しているものの、実はまだ一度もフルでは歌っていなかったという「創傷イノセンス」を、満を持して歌ったのは、声出しが解禁されたからというのもあるのだろう。個人的に彼女には何度も取材をしてきたが、声を出すライブに誰よりも飢えているということはたびたびうかがっていた。だからこそ、このステージはかなり嬉しかったのではないだろうか。

 

 

「最近、夢がかなったんですけど、長いこと(テーマ曲を)歌ってきた『グリッドマン』シリーズ。ついに映画『グリッドマン ユニバース』で、ひめ役として出演することがかないました。皆さん、声に出していけば夢はかなうんです! みんなの声、もっともっと出していきましょう。声を出してひとつになりましょう! 心の花を咲かせましょう!」と言って、「SSSS.GRIDMAN」EDテーマ「youthful beatiful」を歌う。この曲は同シリーズで数多くの楽曲を歌ってきたオーイシマサヨシさんとコラボでの披露となったが、2人とも超絶パワフルに、しかも楽しそうに歌っていたし、作品での関係性も含め、素敵なコラボとなった。

 

 

この日の内田真礼さんはアクセルベタ踏み状態。アニサマのテーマではあるが、「今日のステージは自分のものだ!」と言わんばかりだ。最後は、彼女最新のぶち上がり曲と言っていい「ラウドへイラー」(アニメ「冰剣の魔術師が世界を統べる」ED)をぶちかまし、「やはり声出しライブの内田真礼は最強だ!」と言わざるを得ないステージを終えた。

 
(取材・文/塚越淳一)

 

【DAY3前半セットリスト

1        SHOOT!      RO-KYU-BU!        TVアニメ「ロウきゅーぶ!」OPテーマ

2        Rolling! Rolling!    RO-KYU-BU!        TVアニメ「ロウきゅーぶ!SS」EDテーマ

3        最悪な日でもあなたが好き。  芹澤優         TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」EDテーマ

4        JUNGLE FIRE      芹澤優 feat. MOTSU     TVアニメ「MFゴースト」OPテーマ

5        ダイアローグ+インビテーション! DIALOGUE+      

6        にゃんぼりーdeモッフィー!!   DIALOGUE+       TVアニメ「カワイスギクライシス」EDテーマ

7        僕らが愚かだなんて誰が言った        DIALOGUE+       TVアニメ「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」EDテーマ

8        Shocking Blue      伊藤美来     TVアニメ「武装少女マキャヴェリズム」OPテーマ

9        点と線        伊藤美来     TVアニメ「星屑テレパス」OPテーマ (※2023年10月放送)

10      door  東山奈央     TVアニメ「シュガーアップル・フェアリーテイル」第2クールEDテーマ

11      センチメートル    東山奈央×halca    TVアニメ「彼女、お借りします」第1期OPテーマ

12      Error  GARNiDELiA feat. 東山奈央   TVアニメ「BEATLESS」第1クール目OPテーマ

13      幻愛遊戯     GARNiDELiA        TVアニメ「うちの師匠はしっぽがない」OPテーマ

14      Get it cozmez      

15      G△L△XY∞ BAE  

16      ROWDIEZ -悪漢奴等 Wanted Vibes-         悪漢奴等    

          Hit em up    cozmez      

          Shooting Arrows   The Cat's Whiskers      

          BaNG!!!      BAE  

17      メガネゴーラウンド      マサヨシがめがねを忘れた(小村くんと三重さんとオーイシマサヨシ)    TVアニメ「好きな子がめがねを忘れた」EDテーマ

18      灯日  saji    TVアニメ「トモダチゲーム」EDテーマ

19      フラッシュバック saji    TVアニメ「AYAKA -あやか-」EDテーマ

20      創傷イノセンス    内田真礼     TVアニメ「悪魔のリドル」OPテーマ

21      youthful beautiful 内田真礼 feat. オーイシマサヨシ    TVアニメ「SSSS.GRIDMAN」EDテーマ

22      ラウドヘイラー    内田真礼     TVアニメ「冰剣の魔術師が世界を統べる」EDテーマ

(c)Animelo Summer Live 2023


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【アニサマ2023レポ】バスケ日本代表戦当日に、RO-KYU-BUが再集結! 神セトリで幕を開けた最終日! Animelo Summer Live 2023 -AXEL-DAY3前半を振り返ろう