ロシアは防空システムがいくらあっても足りない?

無人機の攻撃でロシア軍の輸送機が損傷か

イギリス国防省は2023年8月31日(木)、ウクライナ紛争の状況に関する分析を更新。29日から30日の夜間にかけ、ロシアが最大5か所で無人航空機による攻撃を受けたと発表しました。この攻撃は紛争開始以来、ロシアに対する最大の攻撃となったとしています。

攻撃による爆発は、モスクワやブリャンスク、リャザンのほか、エストニア国境に近いプスコフ空軍基地で確認。プスコフへの攻撃では、数機のロシア軍輸送機が損傷した可能性があるとしています。

イギリス国防省は、ロシアは8月中に25回のドローン攻撃を受け、これらはほぼ確実に無人航空機によって実行されたと指摘。無人航空機の多くが目標に到達しており、ロシアの防空能力では、それらを探知して破壊するのが困難であると推定しています。

また、ロシアは攻撃に対処するために、ウクライナモスクワの間の防空態勢を再考する可能性が高いとしています。

これまでに行われたロシア空軍基地への攻撃により、ロシア軍の航空機は各地に分散されるようになっています。ただ、最近のソルツィ空軍基地やプスコフ空軍基地への攻撃で、無人航空機がかなりの航続距離範囲を持っていることが判明。さらなる分散はより困難になっているといいます。

イギリス国防省は、ロシア無人機に攻撃される可能性のある飛行場に、更に防空システムを追加配備しなければならない可能性が高いと分析しています。

ロシアのIL-76輸送機(画像:ロステック)。