南アフリカの首都プレトリア郊外で先月27日未明に火災が発生し、1歳から8歳(7歳の報道も)までの子供5人が亡くなった。5人はきょうだい、いとこの関係で出火当時、母親2人は近くのバーに出かけて不在だった。英ニュースメディア『Metro』などが伝えている。

南アフリカのプレトリア郊外、ラウディウムに近い非公式居住地「イティレレン(Itireleng)」で先月27日、小屋4棟が燃える火災が発生し、2歳、4歳、6歳の男児と、1歳、8歳の女児5人が死亡した。

消防隊に通報があったのは午前4時26分のことで、出火当時、リンディウェ・マチカ(Lindiwe Machika、39)とザネレ・マチカ(Zanele Machika、36)姉妹は、近くのバーに飲みに出かけて不在だった。

亡くなったのは4歳と1歳の兄妹2人と、そのいとこの8歳、6歳、2歳の3人で、マチカ姉妹はそれぞれが5つの育児放棄と5つの故殺罪で逮捕された。

イティレレンは南アフリカに多数存在する貧しい非公式居住区の一つで、約3万人が暮らしているという。居住区は粗末な建物が密集しており、火災に弱いことで知られている。

今回の火災も道が狭く、消防車が現場まで辿り着くことができず、バケツによる消火が行われた。また近隣住民が子供たちを助けようとしたものの、ドアにはチェーンが巻かれ鍵がかけられていたため開けることができなかったという。

3人きょうだいの父ヨハネス・メイソンウェインさん(Johannes Masongwane)は、隣人からの電話で子供たちの死を知ったそうで、鎮火後に瓦礫と化した現場を見つめ、やつれきった表情でこう語った。

「火災が起きる前日の土曜日は子供たちと一緒だった。パートナーには『子供たちを連れて、彼らの叔母に会いに行く』と言われたが、彼女が姉妹の家に泊まることを知ったのは夜遅くのことだった。」

「そして翌日未明に連絡を受けて現場に駆けつけると、子供たちは認識できないほどに変わり果てていた。5人の母親(マチカ姉妹)はいなかった。」

「あの姉妹は私の人生をぶち壊し、私は全てを失った。私はあの2人を一生許さない。2人は刑務所で死ぬべきで、保釈保証金が設定されても助けることはないだろう。」

またヨハネスさんの母ジョアンナさん(Johanna)も「姉妹は刑務所から出すべきではない」と語ると、涙をぬぐいながらこう続けた。

「一緒に人生を楽しんでいた子供たちはもういなくなってしまった。あの日以来、食事が喉を通らず、子供たちのことを考えると呼吸ができなくなるくらい胸が苦しくなる。母親はよくバーに行って飲んでいて、子供たちのことはどうでもいいようだった。そしてさらに悪いことに、酒のために家に鍵をかけて、子供たちを置き去りにしたんだ。」

さらに隣人のギルバート・マレレブさん(Gilbert Mahlelebe)は「5人の遺体は同じ場所にあり、まるで抱き合ったまま亡くなったようだった」と明かし、多くの人の涙を誘った。

事故を受け、イティレレンのコミュニティーリーダーであるマリア・モナマさん(Maria Monama)は「地域のみんなが苦しみ、怒りを感じている。これは育児放棄だ。2人の母親がしたことは決して受け入れられることではない」と述べた。

ちなみに今年6月にはアメリカで、母親に9日間置き去りにされた1歳女児が死亡した。母親は9日間の休暇を楽しんでいたという。

画像は『Metro 2023年8月30日付「Children ‘die holding each other’ after mums leave them home alone to go for drinks」(Picture: EWN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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