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 訴訟大国アメリカでは、ファストフード店を相手取った訴訟も多い。最近話題となっているのは、顧客らがバーガーキングを集団訴訟したというものだ。

 看板商品であるワッパーの具材が、広告写真にくらべてかなり小さく、虚偽に誇張していると訴え出たが、これに対し、バーガーキング側は「写真とまったく同じにする必要はない」と訴えを棄却するよう求めた。

 だが連邦地裁はこれを退け、裁判が行われることになったという。

【画像】 バーガーキングが誇大広告を行っていると集団訴訟

Burger King faces lawsuit over Whopper size - BBC News

 今回のバーガーキングに対する集団訴訟は、もともと2020年3月に起こされ、看板商品のワッパーのサイズを広告写真で虚偽に誇張したというものだ。

 訴訟では、バーガーキングが肉厚のパティと、「バンズからあふれ出る」具材を使ったハンバーガーの写真がメニューに掲載されてあり、顧客を誤解させたと原告側が告発している。

[もっと知りたい!→]バーガーキングがんばれ!ファーストフード食品の広告と実物画像。一番本物に近い広告はどれだ?

広告ではワッパーが2倍以上に見える大きさ

 訴訟内容によると、「バーガーキングは広告でワッパーの肉(パテ)を実際の2倍の大きさに見せている。サイズも実物よりも約35%大きい」と述べられているという。

 また、申請書には次のような記述もある。

バーガーキングは、自社のハンバーガーを競合他社と比較して「大きなハンバーガー(ワッパー)」として宣伝していて、特大のミートパティやバンズから溢れる具材が入っている、としている。

しかしながら、写真の見た目に基づいてバーガーキング製品を購入した後、実際に提供されるとサイズが小さかったことに気づき、原告側は失望した。
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image credit: youtube

 原告らは、次の点を主張した。

バーガーキングは現在の広告で、ほぼすべてのメニュー項目のサイズを大幅に誇張している。

バーガーキングの広告では、ワッパーとビーフパテのサイズが大幅に増加したが、顧客が受け取る実際のワッパーに含まれる牛肉や食材の量は増加していない。

・宣伝されている写真と見た目が違うと知っていたら食品を購入しなかった。

・広告に騙された。

 この訴訟は、フロリダ州の弁護士アンソニー・ルッソ氏が起こし、フロリダ州、ニューヨーク州、イリノ イ州、マサチューセッツ州、ミシガン州カリフォルニア州、コネチカット州、オハイオ州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、ペンシルベニア州アリゾナ州の原告を代表しているという。

バーガーキング側の訴訟却下要請が却下される

 バーガーキングはこの主張を否定し、広告で食べ物が「できるだけおいしそうに」見えるようにするのは、どの企業も行っており、消費者はそれを長年認識しているはずだと述べ、裁判官に訴訟を却下するよう求めた。

 また、以前にもバーガーキングは「写真と全く同じ」見た目のハンバーガーを提供する必要はないと主張していた。

 バーガーキングの広報担当者は、このように声明を発表した。

原告らの主張は虚偽である。

当社の広告に描かれている直火焼きビーフパティは、当社が全米で何百万ものお客様に提供しているワッパーに使用されているのと同じパティである。

 フロリダ州・マイアミの連邦地方判事ロイ・アルトマン氏は、バーガーキングのテレビ広告とオンライン広告が、顧客に誤解を与えたという主張と、バーガーキングが消費者保護法に違反したという告発を棄却することには同意した。

 しかしながら、「原告らの主張は虚偽だ」と主張するバーガーキング側の誇大広告関連訴訟に対する棄却請求要請を退けた。

 また同判事は、訴訟の他の要素、過失による虚偽表示、契約違反、不当利得を主張する訴訟が進む可能性があると判断した。

 裁判所は、受け取った製品と宣伝された製品の違いが、「理性的な米国の消費者の購買嗜好を変えるほど十分であるかどうか」を判断する立場にないと述べた。

むしろ、その判断は消費者自身に任せたほうがよい。陪審員席に座った消費者が、この問題について良識ある人々がどのように考えているかを教えてくれるだろう。(アルトマン判事)
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pixabay

他のファストフード訴訟の事例

 この訴訟は、食品をめぐるチェーンレストランに対する最近の一連の訴訟の最新のものとなった。

 バーガーキングのライバルのマクドナルドとウェンディーズも、チーズバーガーのサイズを巡って、昨年、ニューヨーク在住の男性に集団訴訟を提起された。

 男性は、両社を不当で欺瞞的な取引慣行で告発。訴状では、マーケティング資料に掲載されているマクドナルドとウェンディーズのハンバーガーが、現実のものより少なくとも15%大きかったと主張した。

 また、他のファストフードチェーンも、最近、虚偽広告の申し立てをめぐって法的異議申し立てに直面した。

 先月、ニューヨークの男性がタコベルを虚偽広告で訴え、同社のメキシカンピザには、「期待していた牛肉と豆のフィリングが半分程度しか入っていない」と主張した。

 3月には、シカゴの男性がバッファローワイルドウィングスを告訴し、同社の「骨なしウィング」はウィングではなく、実際にはより安価な鶏の胸肉であると主張した。

 バッファローワイルドウィングスは、申し立てを否定。「骨なしウィング」が「良識ある消費者」を誤解させるものではないと述べて、裁判官に訴訟を却下するよう求めている。

References:A judge ruled Burger King can be sued for exaggerating the size of its Whoppers/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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広告より具が小さいじゃないか!バーガーキングが集団訴訟(アメリカ)